友人葬とは?
友人葬とは、創価学会員の方が亡くなった際に行われる葬儀のことを指します。
その名前から、友人だけで送る葬儀と勘違いされがちですが、全く異なるものです。
友人葬には独自のスタイルがあり、仏式の葬儀といくつか異なる点があります。
友人葬の特徴
友人葬にはいくつか一般的な葬儀と異なる特徴があります。
お坊さんを呼ばない
友人葬の特徴の1つに「お坊さんを呼ばない」ということあります。
友人葬ではお坊さんを呼ぶ代わりに、学会員の中でも冠婚葬祭の儀式に精通した部門の人が代表が「導師」として進行役を務めます。
全員で題目を唱える
友人葬の最も特徴的な点は、参列した人全員で南無妙法蓮華経の題目を唱えることです。
お坊さんが読経を行う仏式の葬儀と違って、参列者全員で唱えます。
樒(しきみ)が使われる
葬儀の祭壇と言えば、白い菊の祭壇を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
友人葬では一般的に樒(しきみ)を使った祭壇を利用します。
樒だけを用いるだけでなく、生花と合わせた祭壇を利用することもあります。
友人葬の流れ
友人葬はどのような流れになるのでしょうか?
大きな流れは一般的な葬儀と変わりません。もちろんいくつか友人葬特有の式次第もあります。
ここでは友人葬の流れについて紹介をします。
御祈念文・題目三唱
全員の焼香が終わると、導師が唱題終了の合図として鈴を鳴らします。
導師が御祈念文を行い、鈴の合図に合わせて参列者全員で「南無妙法蓮華経」を三唱します。
弔電紹介
弔電や弔慰文が紹介されます。
弔慰文は、次の導師の挨拶の際に一緒に紹介されることもあります。
導師の挨拶
導師からの挨拶があります。
遺族の挨拶
喪主、または遺族代表からの挨拶があります。
題目三唱
再び、導師の鈴の合図に合わせて、参列者全員で「南無妙法蓮華経」を三唱します。
閉式の辞
司会者から、葬儀終了の案内があります。
出棺
最後に導師、遺族、参列者全員で「南無妙法蓮華経」を唱えながら、樒などを棺の中に収めます。
棺をしめたら、男性近親者により棺を霊柩車に運びます。
開式の辞
司会から、開式の案内があります。
読経・唱題
導師を中心に読経・唱題を行います。
友人葬の特徴にあった通り、全員で行うものです。
読経とは、読経とは法華経の経文を読誦することです。
法華経の「方便衣」と「寿量品」の自我偈を2回読誦します。創価学会員の方が参列する場合には唱えなくても大丈夫です。
また唱題とは南無妙法蓮華経の題目を唱えることです。
焼香
焼香は読経中に行われます。
一般的に2回読まれる自我偈のうち、1回目に入ると同時に始まります。
焼香の順番は、導師⇒副導師⇒親族⇒参列者の順です。
スタッフなどが案内をしてくれるので、それに従えば問題ありません。
友人葬のマナー
友人葬のマナーは一般的な葬儀とあまり変わりません。
ただし独自のルールもあるので把握しておきましょう。
お布施はいらない
お坊さんを呼ばないのでお布施は必要ありません。
導師に対してもお布施などのお礼を払う必要はないとされています。
香典はいらない
一般的な葬儀では香典を持参するものですが、友人葬では創価学会の方針により「香典は持参しなくてもいい」となっています。
事前に香典辞退の連絡がこず持参するか迷った際には、一応持参をしておいても問題ありません。
もし式場で受け取りを断られた場合には、辞退の意向を受け入れて持ち帰りましょう。
数珠は自分のもので問題なし
創価学会の方が使う数珠は、両手に掛けるために長めに作られている独自のものです。
非学会員の方は、自身で使用しているもので問題ありません。
もし学会員の方が使用している数珠と違うことが気になる場合には、数珠を持参しないという手もあります。
服装は一般的な葬儀と同じ
服装に関しては、友人葬独自のルールや慣習はありません。
一般的な葬儀に参列する際と同じように、喪服で参列しましょう。
「怖い」と思われるのはなぜ?
創価学会の友人葬が怖いと思われることもあるかもしれません。
その理由は、恐らく友人葬の流れやマナーが分からないことや、全員で題目を唱えている様子や声に迫力があることからでしょう。
しかし友人葬の流れやマナーを理解し、題目を唱える意義などを知っておけば怖いと思うことはありません。
友人葬に参列する前には、どのようなものなのか、流れやマナーなどを確認してから望みましょう。
そうすれば決して怖くありません。

この記事を書いた人
亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)
東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。