火葬場に行ってはいけない人とは?

結論から言いますと、現在火葬場に入ってはいけない人はいません。
しかし、目安や過去の風習から火葬場に行ってはいけないと言われている人は、以下の人たちになります。
故人の親戚ではない方妊婦の方高齢の方子供が亡くなった親
火葬場に行ってはいけない理由
なぜ彼らは火葬場に行ってはいけないと言われているのでしょうか。
次に火葬場に行ってはいけない理由について解説していきます。
故人の親戚ではない方
基本的に火葬には故人の親戚のみが立ち会うことが多いです。
しかし親戚の範囲に決まりはないため、その地域の風習や遺族の意志によって変わります。
妊婦の方
妊婦の方が火葬場に入ってはいけないと聞いたことがあるでしょうか。
これは昔からの言い伝えです。
昔の火葬場は今よりも整備されていませんでした。
火葬場で荼毘に付される故人の姿がそのまま見えてしまったと言います。
そのため「このような辛い光景を新しい命を宿す妊婦には見せることができない」という配慮がありました。一部の地域にはこの想いが転じたのか、「火葬場に入った妊婦の赤ちゃんにはあざができる」「葬儀に出た妊婦は憑かれる」などの言い伝えがあります。
しかし、現在では葬儀も火葬場も整備されており、妊婦さんの参列は全く問題ありません。自分の体調と相談して決めましょう。
身体の弱い方
昔と比べると、火葬場はかなりきれいに整備されました。
しかし、昔の名残で火葬場の多くは市街地から離れた郊外に位置していることが多いです。さらに冷暖房やバリアフリー機能を十分に設置されている施設は限られます。
設備の整っていない火葬場は酷暑や酷寒のときに体調を崩す可能性が高く、また手当てできる病院からも離れてしまいます。
したがって身体が弱い方は自分の身体を優先に、無理をしないことも大切です。
子供が亡くなった親
こちらも前述した妊婦さんの件と同様、昔ながらの風習です。
昔は故人の身体が焼けていく様子が見えていたため、「自分の子どもの様子を両親に見せるのはあまりに気の毒である」という配慮があったと言われています。
また一説には「親よりも子供が先になくなるのは親不孝であり、そんな子供の葬儀には出る必要はない」という言い伝えもあります。
しかし根底には、我が子の死を直視せざるを得ない場所に、両親を連れて行かない優しさから来ているものでしょう。
現在はご両親の意志で、火葬場でのお別れができます。
火葬場に参列できるのはどこまでの人?

では、火葬場に遺族と一緒に同行できる人は誰なのでしょうか。
前述したとおり、この範囲は地域よってかなりの差があります。
近親者のみで行う地域もあれば、地域の人や職場の人まで火葬場で見送ってもらう地域もあります。
基本的には故人と縁の深い人が火葬場まで同行できます。
親友・恩師・教え子など非常に恩や大切な想いがある方などは、ご遺族に許可をもらって火葬場での最期のお別れをしましょう。
ここで大切なのは、きちんと遺族に火葬場まで同行したい旨を伝えることです。喪主は火葬場での精進落としや参列者の待合室の手配などをしています。
火葬場までお見送りをしたい場合は、受付の際などに申し出るといいでしょう。
火葬場でのマナー

ここでは火葬場でのマナーについて今一度確認しておきましょう。
写真を撮ることはNG
火葬場での写真撮影は禁止されています。
それは2つの理由があります。
1つは他の家族のプライバシーを守るためです。
火葬場は他しもが使用する公共の施設です。大切な人を失って悲しんでいる姿を映されたり、故人やお骨の写真を撮られたりすることは不快に感じる方もいらっしゃいます。
また写真を撮ることでの他の家族とのトラブルの防止の観点もあります。
2つ目は従事者の方への配慮です。
今ではあまりありませんが、昔は火葬を行う方への職業差別がありました。
そのような方への配慮から撮影禁止になっているという理由もあります。
控室では静かに話す
控室では静かに話しましょう。
最期のお別れを悲しんでいる方もいらっしゃいます。静かに身内で故人の思い出を語らいあい、亡くなったことを悼む時間にできるといいですね。
火葬場に行かない人はどうなるの?
火葬場に行かない方は、葬儀後に出棺を見届けた後、その場で解散となり、そのまま自宅に帰ることになります。
まとめ
今回は火葬場に行けない人とその理由について紹介してきました。
現在では火葬場も整備されており、大きな体調の問題がない限り誰でも火葬場でのお別れは可能です。
大切な人がなくなったとき、最期のお別れを言えるように自分がどこまで参列するか考えておきましょう。

この記事を書いた人
亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)
東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。