喪中の意味・読み方

喪中は、(もちゅう)と読みます。
人の死後・親族が喪に服す期間のことを指します。
喪に服す期間は亡くなった方との関係性によって変わってきます。
一般的には、両親、配偶者の両親、夫婦、子どもの2親等までは喪中の範囲にあたります。
孫や祖父母に関しては、3親等の扱いになるため、必ずしも喪中の範囲ではありません。
しかし、同居をしているなど故人との縁が深い場合には喪に服してもよいと言われています。
忌中の意味・読み方

忌中は(きちゅう)と読みます。
こちらも喪中同様、人の死後に親族が喪に服す期間のことを指します。
忌中は神道の考えから生まれたもので、
死の穢れを他人に移さないために外に出ず、身を慎む期間を設けたことに由来します。
今ではあまり行われませんが、過去には
・喪服を身に着けて家の門戸をしっかり閉めて外と隔絶する
・お酒やお肉を口にせず、精進料理を食べて過ごす
という風習がありました。
喪中と忌中の違い
喪中と忌中の違いは、期間です。
喪中は故人が亡くなってから1年間、忌中は故人が亡くなってから仏になるまでの49日間を指します。
忌中は喪中の中でも特に喪に服す期間になります。
葬儀から49日後に四十九日法要を行った後は「忌明け」といい、
故人の魂が仏に変わり、忌中の終わりを示す言葉として用いられます。
喪中・忌中にしてはいけないこと

喪中と忌中の間には、避けた方がいいことがいくつかあります。
代表的なものは以下の通りです。
・神社への参拝
・結婚式などの慶事や祭典の開催・参加
・旅行・スポーツ・飲み会などのレジャー
・お中元・お歳暮を贈ること
・お正月のお祝い
・神社への参拝
喪中(特に忌中)の間には神社の参拝は控えましょう。
神道の考え方は、「死を穢れたもの」としてみなします。
神社という神様の領域に「穢れ」を持ち込むことはタブーと言われており、
祈願や初詣などは避けた方がいいでしょう。
寺にお参りすることは問題ありません。
・結婚式などの慶事や祭典の開催・参加
結婚式などの喜ばしい席への出席も控えましょう。
不幸をお祝いの席に持ち込まない気遣いと親族の喪に服す期間であるからです。
しかし、結婚式は数か月前から予定されていたり、
席を準備されていたりと急遽断るのは申し訳ないと感じますよね。
そのようなときは、主催のお2人に聞いてみましょう。
もし「喪中でも気にしないから、ぜひ来てほしい」と言われたら参加しても問題ありません。
・旅行・スポーツ・飲み会などのレジャー
喪中の範囲であるのに盛り上がったりはしゃいだりするような宴会も避けましょう。
年末年始の忘年会・新年会なども含まれます。
・お中元・お歳暮を贈ること
忌中のときにお中元やお歳暮を贈ることは控えましょう。
お中元やお歳暮はお年賀などの祝い事とは異なります。
忌中の期間にお歳暮等を控えなくてはいけない理由は、
忌中はまだ故人が仏になる前に魂として旅に出ている期間であり、
自分の家の不幸を人に移さないようにするためです。
忌明け後は喪中でもお中元・お歳暮を贈ることは問題ありません。
・お正月のお祝い
喪中の期間は、新年のあいさつやお祝いは控えます。
関係性のある親族や友人、仕事関係の方には前もって喪中はがきを出して挨拶を控えることを伝えるといいでしょう。
結婚式など催事の断り方

喪中や忌中でお祝い事を断らないといけないとき、どのように断ればいいでしょうか。
不幸は仕方のないこととはいえ、招待してくれた方のご厚意を無下にするのも気が引けますよね。
喜びの席に水を差さないよう、喪中で欠席するという理由は伏せて書くのがマナーです。
しかし、友人など関係性によっては正直に書いてもいいでしょう。
ここでは結婚式を例に、心のこもった断り方の例文を紹介します。
喪中での結婚式の断り方例文
この度はご結婚おめでとうございます。
大変恐れ入りますが、やむをえない事情があり欠席させていただきます。
ご招待いただいたにも関わらず、申し訳ございません。
〇〇さんには昔からお世話になっており、
晴れの日に立ち会うことを私自身楽しみに思っておりました。
お二人の末永いお幸せを心よりお祈り申し上げます。
喪中での結婚式の断り方例文2
この度はご結婚おめでとうございます。
先日、出席するとお伝えしましたが、家の都合で欠席させていただきます。
席のご準備等いただいたにも関わらず、ごめんなさい。
〇〇さんにご紹介いただいたとき、とてもお似合いのお二人だと感じました。
晴れの門出に立ち会えないことが残念ですが、
遠くからお二人の幸せをお祈りしております。
お二人が末永く幸せでありますように。
喪中はがきの意味

喪中はがきは、家族や親戚が亡くなったときに
年賀状をやり取りしている方に対して年賀状を出し控えることをお伝えするはがきです。
喪中はがきは喪中期間の正月に「新年を喜ぶ挨拶を控えること」を謝る意味があります。
「訃報を知らせる」ためのはがきではないので注意しましょう。
喪中はがきの郵送時期は11~12月上旬までが目安です。
11月中には文言やデザインを決めて郵送しましょう。
年末になくなってしまった場合は、喪中はがきを送るのではなく、「寒中見舞い」を送ります。
寒中見舞いは1/8~2/3ごろまでに送るのが目安です。
まとめ
今回は、喪中・忌中の意味と違い、喪中・忌中の期間にやってはいけないことについて紹介しました。
昔は厳しかった喪中のマナーも今ではだいぶ緩くなっているケースもあります。
しかし喪中・忌中のマナーは、地域やその家の考え方によっても大きく異なります。
結婚式の参列や喪中はがきなど誰かが関わるマナーは、注意と気遣いを持てるといいですね。

この記事を書いた人
亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)
東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。