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故人が亡くなると、生命活動が止まります。
いままで体を維持してきたさまざまな機能が止まるため、身体にも見える変化が出てきます。
今回は、どのような変化が遺体の顔に現れてくるのか、代表的なものを紹介します。
死後直後から始まる最初の変化は 「扁平化」です。
これは重力によって顔の凹凸がなくなる現象で、表情が薄く見えることがあります。
さらに死後30分~は「蒼白化」が始まります。
これも重力によって血液が地面の方へ移動していく現象です。故人が仰向けで寝ている場合は、顔の血色が亡くなり、白っぽくなっていきます、
死後1~3時間後には死後硬直が始まります。
死後硬直は下あごから始まり、6時間ほどで全身に広がります。そのため口のエンゼルケアは一番最初に行うことが多いです。
故人が急死や若い人の場合は死後硬直が強く身体に現れます。
死後3時間経つと、体表面の乾燥が目に見えてきます。
身体の機能循環機能が停止することによって、身体内部から肌などの体表への水分供給がなくなります。とくに、唇やふさがっていない傷口などは特に乾燥しやすく、リップクリームを塗るなど保湿と油分のケアが必要になります。
死後6時間程度から腐敗が始まります。
体内の細菌が繁殖することで起こる腐敗は、室温や湿度など遺体がおかれている状況で進行度が変わります。温度が低い環境にあればあるほど腐敗の進行が遅くなります。
遺体の安置は基本的に2つに分かれます。
1つは葬儀社の会館や安置施設で安置を行う方法。葬儀社の整った設備の中で遺体を安置できるため、亡くなった日から葬儀の日程が空いたとしても安心できます。
もう1つは、ご自宅で安置する方法。遺体が傷まないように注意する必要がある一方で、葬儀の日まで故人の近くで一緒に過ごすことができます。
今回は自宅で安置するときの方法について紹介します。
まずは室温を18度以下に保ちましょう。
遺体は温かい場所に置いておくと傷み、腐敗の進行が進んでしまいます。自宅は葬儀社の安置施設とは異なり、気温によって室温も変化しやすいです。そのため、夏場は冷房を設定し、冬場は暖房をつけずに置きましょう。
さらに遺体の表面にドライアイスをちりばめ、直接当てることで遺体の表面から冷やすことができます。ドライアイスは首元やおなかや背中などの臓器が集まっている周りに置く方が効果的です。
遺体の頬や手などに軽く触れる程度であれば、問題ありません。
しかし遺体の傷口や粘膜、体液などに触れてしまうと感染症にかかってしまう可能性があるため、注意しましょう。もし処置で体液などがついてしまう場合はビニール手袋を付けると安心です。
自宅で安置している場合、口や目が開いてしまう場合があります。
その理由は主に肌の乾燥や筋肉の弛緩によるものです。
目が開いてしまった時は目薬を差して瞼を閉じ、10秒ほど抑えてあげましょう。
それでも開いてしまう場合は、アイプチなどの二重のりを目元に付け、目を抑えてあげます。
口が開いてしまった時は丸めたタオルを顎の下に入れ、口を閉じます。歯に薄くした綿を敷き、唇が滑らないようにし、軽く引っ張って閉じる方法もあります。
また口は腐臭をいちばん感じられる部位であるため、なるべく閉じるようにしますが、お口の状態によっては表情が崩れてしまうことがあります。その場合は、無理に口を閉じないこともあります。
一般的には遺体の表情と死に際の状態には関係ありません。
遺体は「死後硬直」を迎えた後、さらに時間が経つことで「弛緩」という筋肉が緩む状態に入ります。顔の筋肉も緩み、重力によってなだらかになります。そのため、「安らかで穏やかな表情」になりやすいと言われています。
しかし、事故などで外部から強い衝撃を受けている場合は表情が変わってしまうことがあります。
エンゼルケアとは、医療器具の除去や体の処置、整顔、死に化粧などの死後処理の一式のことを指します。
現状は正式な法整備があるわけではないため、病院の方針、家族・遺族の希望によって柔軟的に処置が行われることが多いです。
基本的に病院で亡くなった場合には看護師さんがエンゼルケアをしてくれますが、自宅で亡くなり業者に頼む場合、数万円~10万円ほどの費用が掛かります。
先ほど紹介した通り、エンゼルケアとは遺体の死後処理~死化粧までの一連を指します。
遺体の処置には特殊な方法として「エンバーミング」というものもあります。エンバーミングとは「遺体衛生保全」「死体防腐処理」のことを指します。これは、専門の技術をもつエンバーマーが行う必要があり、遺体の一部を切開して体液を輩出し防腐剤の注入などを行います。
エンバーミングを行うことによって遺体の常温での保管が可能になり、長期間の保管を行っても遺族が感染症になる心配もありません。さらにエンバーミングでは遺体の修復が可能なため、闘病でやせてしまった方や事故で圧迫されてしまった方などの修復も可能になります。
ここまで遺体の状態の変化と処置の方法について解説してきました。
では遺体と面会する機会にどのように接したらいいのでしょうか。ここからは遺体との面会マナーについて紹介します。
まずは遺族の許可を得ましょう。
葬儀の当日であっても、葬儀の前後であっても故人との面会をしたい場合は、喪主や遺族にその旨を申し出るのがマナーです。
万が一、死因を知られなくないなどで遺族に断られた場合は面会は控えましょう。
遺族の許可が下りたら安置室へ向かいましょう。その際は黒を基調としたジャケットなど落ち着いた服装で行くと良いです。
面会時には必ず遺族へお悔やみの言葉を言います。その後故人に合掌して一礼します。遺体の顔にかかっている白い布は自分からとってはいけません。遺族にお願いしてお顔を見せていただきましょう。頬や手に触れるのは問題ありませんが、遺族に一言かけてからの方がいいでしょう。
遺族へのお悔やみの言葉を何と言っていいか悩む方は、こちらの記事も参考にしてください。
自分から遺体との面会を申し出る場合もあれば、遺族から面会を頼まれるケースもあります。その際に遺体との面会に抵抗感があれば、断っても問題ありません。
気遣ってくれた遺族に感謝と理由をお伝えし、辞退しましょう。
辞退するときの言葉の一例を載せますので、参考にしてくださいね。 <辞退するときの例文>
・この度は、お気遣いいただきありがとうございます。私は〇〇さんのご生前非常にお世話になっており、本当に残念でなりません。大変身勝手ではありますが、まだ私自身の心の整理がついておりませんため、今回の面会は控えさせていただきたく存じます。
・この度は誠にご愁傷さまでございます。心からお悔やみ申し上げます。〇〇さんにはとてもお世話になったにも関わらず、まだ何の恩義も返せていないことが無念でなりません。私自身が非常に取り乱してしまいかねませんので、大変恐れ入りますが今回の面会は辞退させていただきます。
Q
死後、顔にどのような変化が起こりますか?
死後、顔には以下のような変化が現れます。 ・死後直後には「扁平化」が始まり、顔の凹凸が減少し、表情が薄く見えることがあります。 ・約30分後には「蒼白化」が進行し、血液が地面に移動するため顔が白っぽくなります。 ・死後1時間後には死後硬直が始まり、顔の筋肉が硬直します。 ・さらに時間が経過すると、顔の皮膚が乾燥し始めます。 これらの変化は自然なプロセスであり、時間とともに進行します。
Q
遺体の顔が死に際の状態に影響されることはありますか?
一般的に、遺体の表情と死に際の状態には直接的な関係はありません。 死後硬直が始まると、筋肉が硬直し、時間が経過するにつれて「弛緩」が起こります。この段階では、顔の筋肉も緩み、重力によって表情がなだらかになります。 そのため、遺体の表情は「安らかで穏やかな表情」になりやすいと言われています。 ただし、事故などで外部から強い衝撃を受けた場合には、表情に影響が出ることがあります。
Q
死に顔が安らかに見えるのはなぜですか?
人が亡くなると、筋肉が弛緩し、表情が穏やかになるため、死に顔が安らかに見えることがあります。
Q
死に顔が苦しそうに見えることはありますか?
死後硬直が進行すると、表情筋が硬直し、苦しそうに見えることがあります。
Q
死化粧とは何ですか?
死化粧とは、故人の顔や体を清め、髪や顔などを整えて化粧を施すことを指します。
Q
死化粧を行う目的は何ですか?
死化粧は、故人を美しく整えることで、遺族の心のケアを行うことを目的としています。
Q
死後の表情は生前の感情を反映しますか?
死後の表情は、筋肉の弛緩や硬直によって変化し、生前の感情がそのまま残るわけではありません。
東京、神奈川、埼玉、コムウェルセレモニー全エリアの営業統括責任者。15年以上の経験を活かし、各エリア責任者へご家族の「あふれる想いに寄り添う葬儀」の提供に向けて指揮を執っている。
葬儀の人材派遣と集客支援の最大手、株式会社ディライトの代表取締役。20歳で葬儀の人材派遣スタッフとして働き始め、独立。以降約20年間、葬儀業界の「人の困った」と「集客の困った」を解消し続けている。
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