「終活」とは?なにを、いつからはじめる?基本のやることを解説

最新編集日:2022年05月19日

「終活」とは?なにを、いつからはじめる?基本のやることを解説

自分が亡くなった時どうしよう?葬儀っていったいどうするんだろう?自分が亡くなった後に家族に迷惑をかけたくない。最期まで自分のことは自分で決めたい…。

近年このような悩みから、人生の最期を穏やかに向かえるために「終活」が広まっています。しかし終活に含まれる範囲は広く、何から始めたらいいのか分からない方もいらっしゃいますよね。

今回は「終活」とは何か、「何を」「いつから」始めればいいのか、終活のやるべきことを解説します。

  

終活とは?

終活とは、自分の「人生の終わりをよりよく迎えるための活動」を意味します。
具体的には、自分の死を意識して最期への準備や整理をする活動です。身の回りの持ち物やお金の整理、誰に何を残しておくかなどを把握する作業はもちろん、これまで生きてきた半生を振り返って、これからどんな人生をおくっていくか心を整える意味もあります。

自分の死を考えるなんて、不謹慎だし不安になりますよね。しかし「死」というゴールと向き合い、それまでにやることを整理したとき、あなたの生活はとても有意義なものになります。

終活を通して、残りの人生を心身共に満たされた時間にしましょう。

なぜ終活は必要なのか

終活をして得ることの出来るメリットは、主に3つあります。

家族の負担が減らせる。遺産相続のトラブルを回避できる。残りの人生生活が前向きになる。

それでは、1つずつ詳しく解説していきます。

①家族の負担が減らせる

人生の終盤を迎えたとき、終末医療の判断や死亡後の遺品整理などの判断を家族にゆだねることがあるかもしれません。大切な人にかかわる判断は家族に負担をかけることになります。

事前に医療の可否を明らかにしたり持ち物を整理したりすることで、遺された家族の「手間」や「精神的な負担」を減らすことができます。さらに自身の万が一の準備もできるので、老後の生活が明るくなるでしょう。

②遺産相続のトラブルを回避できる

金銭が関わる遺産相続では、「誰がどれだけ受け取れるか」が明確になっていないと、大きなトラブルに発展する可能性があります。生きているうちに遺言書を残し、相続する相手ともよく話し合うことでトラブルを回避できます。

※遺言書が無い場合の遺産相続についてはコチラ。
【関連記事】遺言書がない場合の遺産・財産分割の方法

③残りの人生生活が前向きになる。

「死」とは誰もが経験したことがなく、漠然とした不安を抱きがちです。だからこそ終活を通して、自分の半生を振り返えったり身の回りのものを整理したりすることで、周りへの感謝や死ぬまでにやりたいことが見えてきます。残りの人生を前向きに過ごすことができるでしょう。

終活の基本の流れ。やるべきこと3つ

では、終活は何から始めればいいでしょうか。ここからは終活でやった方がいい基本のことを紹介していきます。是非参考にして下さい。

①エンディングノートを書く

自身の死後のことについて、まとめておくノートを「エンディングノート」といいます。このノートを実際に文字で書いておくと、家族に正しく情報や自分の意志を伝えることが出来ます。自分の考えも整理できるのでオススメです。
一般的には以下の内容を書きます。

・プロフィール、家計図
⇒自分の生い立ち・親戚関係などを書いておきます。訃報を知らせる人や葬儀の内容を決める際の参考になります。

・医療、介護
⇒もし病気になった際、延命治療を望むかどうか。最期を自宅で迎えたいか。介護施設などへの入居を望むかなど、自分がハッキリ意思表示できなくなった際にも家族に希望を伝えられるようにします。

・葬儀、供養
⇒どんな葬儀にしてほしいか、お墓はあるか、などを書きます。

・財産
⇒預貯金の口座、不動産、株や投資信託、高額の美術品、借金などの有無・額を書きます。

・デジタルデータ
⇒パソコンのデータや、パスワードなどについても書いておくといいでしょう。

・楽しかった思い出
⇒これまでの人生を振り返って、楽しかった思い出や大切な人への伝えたいメッセージを書きます。

挙げたものはあくまでも一例です。
特にエンディングノートは正式な規格は存在しないので、自身の伝えたいことを書き残しておきましょう。販売しているエンディングノートを利用すると楽です。

②医療について決めておく

自分が高齢になったとき・事故や病気になったとき、自分で指示や思いを伝えることができなくなる場合があります。そのような場合に自分の希望や家族にしてほしいことを伝えたりノートに記しておきましょう。万が一の時、自分も家族も負担が少なくなります。

具体的には下記のようなことを決めておきます。

・介護
どこで誰に介護してほしいのか、最期は施設か・自宅に戻るのか
・病院
どの病院・医師に治療を受けたいのか
・延命治療、臓器提供
延命治療・臓器提供を望むか

③葬儀について決めておく

自分の葬儀は自分で決めたい、家族に迷惑をかけたくない、などの理由でご自身で葬儀の検討をする方は多くいらっしゃいます。
しかし、家族に要望が伝わっていなかったり本当に必要な準備ができていなかったりして納得する葬儀ができないことも。事前に下記の3つのポイントを考えておくといいでしょう。

1.葬儀には誰を呼ぶのか
家族だけで行うか、または仕事関係の方も呼ぶのか。葬儀で最も迷うポイントは、誰を呼ぶかです。これを決めておくことで家族が迷うことがなくなります。もし家族だけで葬儀を行う場合も、遠方に住む親戚はどうするかなども具体的にしておきましょう。

2.葬儀の形式
葬儀の形式は葬儀に呼ぶ人や人数によって代わってきます。誰を呼ぶかと合わせて、こちらも決めておくことで混乱を招くことが少なくなるでしょう。

3.葬儀社の検討
葬儀に誰を呼ぶのか・形式はどうするのかが決まれば、葬儀社を検討します。複数の葬儀社からパンフレットを取り寄せて気になるところの見積もりを比較しましょう。また葬儀社を先に決めておけば、担当者と相談しながら葬儀の内容を考えることができるのでオススメです。

葬儀に関して強い要望がある場合は、葬儀社と家族と事前に話しあっておきましょう。いざという時にご家族の方が困りません。もし生前予約をするならば家族にその旨を伝えるか、エンディングノートに残すなどしておくと良いでしょう。

【参考】葬儀費用で家族に迷惑をかけたくない人のための「葬儀保険」

④契約を整理・解除する

自分が契約している保険やサービスなどを確認しましょう。
クレジットカードを持っている場合や会員制度に加入している場合は、契約を解除しないと費用が掛かり続けてしまいます。

必要がないものは元気なうちに解約しておきましょう。どうしても使うサービス等はリストアップして家族がすぐに解約しやすいように準備しておくとよいです。

⑤不用品の整理

自分の持っている服や持ち物を整理しましょう。
不用品としてよくあるものは、自転車やバイク、車、使っていない家具、衣服などです。

もっとも整理しておきたいものは、アルバムや写真・手紙などの思い出の品です。似たような写真は選別したり、手紙は写真に残して処分したりして整理します。すると思い出を見返しやすくなるだけでなく、家族が困らない状態になるでしょう。

⑥遺言書を作成する

家族にどうしても「やってほしいこと」や「意思を示したいこと」がある場合には遺言書を作成しましょう。

遺言書には自筆証書遺言か公正証書遺言のいずれかの形をとることが多いです。どちらも公的な書き方があるため、自分の書きたいことを整理したうえで、専門家に頼むことがいいでしょう。とくに相続・遺産分割・遺贈についての意思がある場合は遺言書の執筆がおススメです。また相続でのもめごとは財産が多くない家庭でも起こります。一筆書いておくことで、家族の問題を防ぐことができます。

⑦デジタル遺品を整理する

現代の生活にかかせないスマホ・パソコン。
デジタル機器にはセキュリティが強くかかり、他者が簡単には開けないような設定になっていることが多いです。WEB上で契約したサービスやネットの資産、思い出の写真などを家族が整理したくても難しく、あきらめてしまうことも多いようです。

おすすめは紙にスマホやパソコンのパスワードを書き、年金手帳やパスポートなどと一緒に保管しておくことです。家族が遺品を整理するときに見つけてもらうことができます。

しかし誰にも見られたくないデータが入っている場合もあるでしょう。その場合は事前に消しておくか、アクセスしにくい場所に隠しておくことが有効です。自力で行うことが難しい場合は、デジタル終活の専門家に相談することで不安を解消できます。

デジタル遺品は家族にとっても扱いづらく、後回しになったりもめ事を起こしたりしがちです。余力のあるうちに整理しておくことがおススメです。

終活をはじめるベストなタイミングは?

終活はいつから始めればいいのでしょうか。
ここからは終活を始めるおすすめの時期について解説します。

終活をはじめるオススメのタイミング

結論から言いますと、終活を始めるのに決まった時期はありません。一般的には60~70歳で、仕事を退職しセカンドライフを送り始めるときに始める方が多いようです。

しかし、下記のような場合も終活をはじめるタイミングです。
・自分と家族の健康に不安を覚えたとき
・結婚して子供ができたとき
・家族や友人が亡くなったとき
このような人生の節目を迎えたときにも終活を始める良いタイミングと言えるでしょう。

若い人が終活をするなら

昨今では20代や30代の若いうちから終活を始める方も増えています。楽天インサイト株式会社が2019年に実施した「終活に関する調査」では、終活の意欲があるのは30代が最も多いという結果になりました。

若いうちから終活をするメリットは2つです。
1、不用品を処分して身の回りを整理する習慣をつけられること
2、自分の将来について具体的に考えられるようになることです。


不用品を処分し自分の周りをきれいにすれば、整理整頓が習慣として身につき、本当に自分に必要なものを見極めることができます。ものをため込まない習慣を身に着けることでシンプルに暮らすことができ、万一の時に家族に迷惑をかけることも少なくなるでしょう。

さらに若いうちから終活をすることで、ライフプランを具体的に考えられるようになります。自分が死ぬまでにどう生きたいかを考えることも終活の1つです。おすすめはエンディングノートを書いてみることです。まだ将来が長いからこそ、自分が本当にやりたいことや生きがいを見つけるヒントが得られるかもしれません。

終活の注意点

自分の半生を整理する終活。せっかく自分の意志やお願い事を考えても、それが家族に伝わらなかったら悲しいですよね。確実かつ正確に伝えるにはどうしたらいいでしょうか。ここでは終活の注意点をお伝えします。

エンディングノートは遺言書の代わりにはならない

前述しましたが、家族にこうしてほしいという強い意志があった場合には遺言書を書く必要があります。エンディングノートはあくまでも自分の思いを書いた家族への「お願い」であるため、法的拘束力がありません。

相続や子供の認知など自分の意志を示すべき重要なことは、必ず専門家を交えて公的な遺言書を作成しましょう。

保管場所をきめておく

エンディングノートや整理した重要書類などの保管場所はとても悩ましいですよね。望ましい保管場所は、「盗難されにくい場所」かつ「いざとなったら見つかる場所」です。

たとえば、つぎのような例があります。
・神棚・仏壇などのめったに人が手に触れないところにしまう
・金庫などにしまい、その保管場所のメモを常に持ち歩いておく

さらに信用できる家族に「エンディングノートを書いてあること」を伝えることで、万が一の時にノートを探してもらえるように準備しましょう。貸金庫など本人しか取り出せない場所への保管は、ノートを読んでもらえない可能性があるためオススメしません。

いい保管場所が見つからない方は、エンディングノートを保管する外部サービスを利用することも検討してみましょう。

迷ったら、まずはエンディングノートを書いてみよう

ここまで、終活の内容や開始にオススメの時期を解説してきました。終活はあつかう範囲が広く、何から始めたらいいのか分からない方もいるかもしれません。

そんな方は、まずエンディングノートを書いてみることから始めましょう。
エンディングノートは書店などで市販されているものもあります。自分で一から考えなくても、空欄を埋めていけば必要事項が記載できるのでオススメです。また自治体によっては、エンディングノートを無料で配布しているところもあります。お近くの役所に聞いてみるのも良いでしょう。

この記事を書いた人

亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)

東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。

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