病院が葬儀社を紹介する本当の理由とは?
病院が葬儀社を紹介する本当の理由、大きく2つあります。
1つは「早く病室を空けてほしいから」
病院も稼働率を上げたいので、遺体を何日も病室に置いておくことは嫌がります。
だから早く葬儀社を決めて、自宅または病院、とりあえず病院外に搬送してほしいのです。だから決まっていない遺族には、葬儀社を紹介します。
2つ目は「葬儀社との金銭関係」です。
これは一昔前はよくあった話で、今は少なくなっているようです。
葬儀社が、病院に権利金を支払う代わりに葬儀を検討している方を紹介してもらったり、紹介手数料を払って病院に葬儀社を紹介してもらうといったことがありました。
かなり減ったものの、一部の大学病院では未だにその風習が残っているようです。
病院に紹介された葬儀社を断りにくいのはなぜ?
想像してみてください。いざ大切な人を亡くしたその時。
おそらくあなたは大きな悲しみに包まれ、落ち込むことでしょう。
それと同時に、このあとどのようにしたいいか分からず不安な気持ちにもなります。
そんな状態で病院からは「葬儀社を決めてください」そう言われ急かされます。
そんな時に「葬儀社さん、ご紹介しましょうか?」という提案があったら、ホッとして依頼してしまいませんか?
しかし他の葬儀社と比較することなく、ただその葬儀社に依頼すると後悔することになりかねません。
病院から紹介された葬儀社に電話をすると、まずは遺体を搬送してくれます。
遺体の搬送だけしてもらって葬儀を断ることも全く問題ありません。
しかし遺体の移動をお願いした葬儀社に対して
「他の葬儀社知らないし」「運んでもらったのに依頼しないのは申し訳ないから」「他と比べるのはもう面倒」などという感情が生まれそのまま葬儀を依頼することがほとんど。
実はそこが起きな落とし穴です。
遺体の移動後に打合せを行います。
見積もりをしてもらって想定内の金額であれば問題ありません。
しかし「ちょっと高いな」「ちょっと予算と合わないな」と思ったとき、きっぱりと断ることができますか?
「ここまでやってもらったのに、今更断っていいものか…」そう思って断れないことがほとんどです。
また断った時もなにかと問題が発生することが多々あります。
実際に口コミでよく見かけるのが「葬儀を断ったら搬送代金だけで高額な請求をされた」とか「嫌な顔、対応をされた」などという声。
そうなってしまうことを考えるとますます断りにくくなってしまうのが現実です。
安置先に注意
病院から紹介された葬儀社に搬送をお願いした場合でも、必ずしも葬儀もお願いしなければいけないわけではありません。
はっきり断ってもルールやマナー的には問題なし。
しかし自然にその葬儀社に葬儀を依頼する流れに持っていかれるケースが多いので注意が必要です。
特にご自宅にご遺体を安置できない場合。
搬送に来た葬儀社に自宅への安置が難しいことを伝えると、
「弊社に安置室ございますので、そちらにお運びしましょう。」
という流れになる可能性があります。
安置場所に困っている状況でそのような提案を受けると、少しほっとしたような気持ちになり、お願いしたくなるかもしれません。
しかしその葬儀社所有の施設に連れていかれてしまうと、いよいよ葬儀の施行を断りにくくなってしまいます。
自宅に安置できない場合には、事前にお住まいの地域の公営斎場などに安置施設があるかどうかを調べておき、そちらに搬送してもらうようにしましょう。
自治体のホームページや葬儀の口コミなどで事前に調べておくことが重要です。
事前に準備をしておくことが大切
繰り返しになりますが、病院では人が亡くなると迅速に遺体を搬送しなければなりません。
全く何も準備をしていない状態では複数の葬儀社を比較検討する時間、そして心理的な余裕もなく、病院から紹介された葬儀社に搬送をお願いすることもあるでしょう。
もちろん病院から紹介された葬儀社すべてが悪いわけではありません。
予算内だったり、対応のいい葬儀社であれば依頼をしてもいいでしょう。
そうでなかった場合には、断っても問題ありません。
しかし断りずらかったり、多額の搬送代金を請求されたり、嫌な対応をされたりと問題が生じることが多いという事実があります。
そうならない為にも、事前に調べて葬儀社を決めておくことが大切です。
そして万が一の際、病院から葬儀社の紹介を受けたら「葬儀社は決めてあります。」とはっきり断りましょう。
大切な人が亡くなった直後なので、落ち着いた判断が出来ずに病院や葬儀社の言われるがままになってしまいがちです。
葬儀等が落ち着き、請求書を見てから後悔する人が多くいます。
亡くなる前に葬儀のことを考えるのは不謹慎と思われるかもしれませんが、大切な人を納得いく形で送ってあげられるよう準備しておくことは大切なことです。
納得のいく葬儀を行うために、事前にしっかりと調べておきましょう。

この記事を書いた人
亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)
東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。