互助会とは?
互助会とは、正式には「冠婚葬祭互助会」といい、保険のように毎月掛け金を積み立てておくことで、七五三祝いや結婚式、葬儀などの冠婚葬祭時に特典を受けられるサービスです。
相互扶助の精神から、みなで少額づつお金を出し合って、いざ冠婚葬祭のときにお金を出せるようにしようということから始まりました。
昭和23年、まだ戦後の混乱時期に生まれてその後、高度経済成長期にかけて会員が急増。
各所に互助会が所有している結婚式場や斎場(葬儀場)が立てられました。
国道沿いを車で走っているときに見かける大きな結婚式場や斎場(葬儀場)の多くが互助会の建物です。
互助会のメリットは?
互助会のメリットとして挙げられるものは主に4つあります。
豪華な葬儀を比較的低価格で行うことができる。
互助会の会員は毎月の掛け金からなる積立金に応じた内容のサービスを受けることができ、一般的には積立金以上のサービスが受けられるようにできています。
また、皆で出し合ったお金で用意した備品、設備を葬儀が必要な人から順番に利用できるため、豪華な葬儀を比較的低価格で行なうことができるのです。
そのため豪華な葬儀を挙げたいと思っている方は互助会に加入して資金を積み立てておけば、急な経済的負担をある程度抑えることができます。
葬儀以外の優待を受けることができる
互助会の会員になると、本来の価格よりお得にサービスを受けることができ、冠婚葬祭以外でも互助会費は家族旅行やレジャーで使うこともできたり、中には互助会の提携する店で食事代が割引になるケースもあります。
積み立てが途中でも利用が可能
互助会は満額を支払うまでにおよそ60~120回程度分割して支払いますが、もし満額を支払う前に亡くなってしまった場合であっても、現在の積立金との差額を支払うことでサービスが受けられます。
掛金が掛け捨てではない
基本的に互助会は積立式の制度で、解約の際には手数料を差し引いた、積立金の残りが返還されることが多いです。
互助会のデメリットは?
互助会のデメリットとして挙げられるもの主に3つあります。
積立金のみで葬儀費用をすべて賄えるわけではない
毎月毎月同じ金額を積み立てていたら、互助会の積立金だけで葬儀費用のすべてを賄うことができると思いがちですが、仮に積立金だけで葬儀を行ったとしても非常に規模の小さな葬儀、またはグレードの低い葬儀になる可能性があります。
かなりの確立で、積立金だけで葬儀を行うことはできません。
追加料金なしのプランだとお花がみすぼらしかったりすることから、様々なものを追加した結果、追加料金で数百万円請求されたというケースも存在します。
そのため、たとえ積立てているからと安心せずに、希望の葬儀をしたいなら追加料金を払う心構えをする必要があるでしょう。
解約金トラブルが多い
メリットとして、解約時に掛金が返還される事が多い事を挙げました。
しかしそこでトラブルが発生することも。
加入中の互助会を途中で解約した場合、満額が返ってくるわけではなく、積立金から解約手数料を引いた額が払い戻される形になります。
この「解約手数料」が、消費者が想定していた金額よりも多くて、ほとんど返してもらえない、というトラブルが多いんです。
また退会を申し出たところ「規約で退会は出来ないことになっている。」と主張され、応じてくれなかったというトラブルも報告されています。
そういったトラブルが多いことからか、互助会の解約代行サービスを行っている葬儀社なども見られます。
万が一トラブルになりそうなときは、消費者センターに問合せをしましょう。
契約している互助会が倒産する恐れがある
互助会自体は民間企業ですので当然経営破綻をする可能性も存在します。
その場合、法律で返還が保証されているのは、積み立てた金額の半額のみです。
いざという時のために、備えることは大事です。
しかし、いくら備えていてもそれが故人または遺族が行いたい葬儀に合っていなければ、意味がありません。
互助会への加入を検討する際には、サービス内容や規約をきちんと確認して、自分や家族にとって必要なものなのかを見極める必要があります。
また、加入していることを家族が知らないというケースも多いので、家族で話し合っておくことも大切です。
後のトラブルを避けるためにも、サービス内容や規約の確認、家族への相談は怠らないようにしましょう。

この記事を書いた人
亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)
東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。