「模擬葬儀」とは
先述の通り、「模擬葬儀」とは葬儀のリハーサルです。
主に葬儀社や、寺院が開催しています。
また、イベント会社による終活イベントのようなものに組み込まれている場合もあります。
葬儀社が自社の斎場やサービスをアピールする場として開催することが多いようです。
「模擬葬儀」ではなにをする?
「模擬葬儀」という名の通り、本番さながらの祭壇を飾り、僧侶の読経、お焼香、挨拶、出棺、など葬儀の一通りの流れを体験します。
参加者は参列者役になり、葬儀社などの開催側が司会役や受付役などを行うことが多いです。
また実際に棺の中に入る「入棺体験」ができたり、通夜振る舞いや精進落としなどで出される料理を実際に食べることができることもあります。
もちろん始まる前に、開催側から流れについての説明があるので安心です。開催に合わせて、終活セミナーや遺影写真の撮影会などが行われることもあります。
「模擬葬儀」のメリット
模擬葬儀を行うことのメリットをご紹介します。
本番で焦らなくてすむ
「模擬葬儀」に限らず、「模擬〇〇」とは本番さながらを体験することで、本番に失敗しないよう備えるために行うものです。
家族で参加すれば、実際に流れを把握でき、いざ実際に遺族になって葬儀を行う際に焦らずに済みます。
故人の希望を確認できる
自由葬などが増え、葬儀のスタイルの多様化が進む中、かえって遺族がどのような葬儀をしたらいいか分からなくなってしまうことがあります。
葬儀は残された側が行うものですが、出来るだけ故人の希望通りの葬儀を行ってあげたいものです。
「模擬葬儀」を行うことで、どのような葬儀にしてほしいかを、具体的に伝えることができます。
「質素にやってくれ」などと言っても、どの程度のものなのかイメージが出来ませんが、実際に形にして「模擬葬儀」を行えばかなり具体的になります。
家族としても具体的なイメージがつくので、いざという時に迷わずに故人の希望に沿った葬儀を行うことができるのです。
葬儀社のサービスを実際に体験できる
「模擬葬儀」は葬儀社が自社の斎場やサービスをアピールする目的で行われることが多いです。「斎場の広さは適切か」「花は綺麗か」「葬儀社の担当者の雰囲気はどうか」などを生前に見ることができます。
いざという時よりも、冷静な目で判断することができるでしょう。
「死」を疑似体験することで「生」を考えることができる
死を疑似体験することは、生きているうちにしておかなければならないこと、しておきたいことを考えるきっかけになります。
家族にとっても、残りの人生におけるその人との関わり方などを考えるきっかけにもなり、また家族の死を受け入れる準備にもなります。つまり、「死」の疑似体験はこれからどのように生きていくかといった「生」を考えることに繋がるのです。
自殺率の高い韓国では、従業員に命の大切さを実感させて自殺を防止するために、模擬葬儀を行う企業もあるそうです。
まとめ
葬儀は誰にとっても一度きりのものです。
遺族としても一度きりの故人の葬儀を納得のいく形で行いたいはずです。そのための備えとして、「模擬葬儀」を検討してみてはいかがでしょうか。家族と自身の死後に関して話し合うキッカケになることでしょう。

この記事を書いた人
亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)
東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。