エンバーミングは必要?費用やメリット・デメリットをご紹介

最新編集日:2021年11月27日

エンバーミングは必要?費用やメリット・デメリットをご紹介

エンバーミングという技術を知っていますか?
葬儀までの日数が長くなったり、遺体に損傷がある場合などに葬儀社から勧められることがあります。
「葬儀社からエンバーミングを勧められたけど、必要性が分からない」
そんな方のために、エンバーミングとはなにか、どんな場合に必要か、メリット・デメリットを紹介します。

これを読めば、エンバーミングについての理解が深まり、必要かどうかの判断ができるようになります。

エンバーミングとは?

エンバーミングとは遺体の保全・修復・殺菌・防腐などを目的に、遺体に施す特別な処置のことを言います。
専門の技術・資格を持った「エンバーマー」しか行うことができません。

遺体を消毒・殺菌したうえで、血液などの体液・消化器官などに残った残存物を抜き、代わりに防腐剤などを注入します。
通常、遺体は時間の経過とともに腐敗していきますが、エンバーミングを行うと腐敗がすすむことなく長期間保全することができます。

エンバーミングが必要な場面

エンバーミングが必要なのは、次のような場面です。

葬儀まで時間がかかってしまう場合

火葬場の混雑具合や遺族の仕事の都合などにより亡くなってから葬儀までの日数が長くなってしまう場合には、腐敗防止のためにエンバーミングが行われます。
1週間以上空いてしまう場合には、エンバーミングを検討するといいでしょう。

元気だったころの姿に近づけたい場合

闘病生活で顔がやせ細ってしまったり、反対にむくんでしまっている場合があります。
より元気だったころの姿に近い状態でお別れをしたい、という希望がある場合にはエンバーミングを行うことで、希望を叶えることができます。

また事故などで遺体が損傷してしまっている場合も、エンバーミングを行うことで修復をすることができます。

海外で亡くなった場合

出張や旅行時に海外で亡くなり、遺体を飛行機で国内に運ぶ必要がある場合にはエンバーミングが行われます。
安全上の観点から飛行機にはドライアイスが乗せられないためです。

反対に日本で亡くなった方を海外に輸送する場合も同様です。

感染病で亡くなったが、遺体に触れてお別れしたい場合

特定の感染病で亡くなった場合、遺族への感染のリスクなどから遺体を納体袋に収められ、遺体に直接触れることはできません。
もし顔や手に触れてお別れをしたい場合には、消毒や殺菌を行うエンバーミングをすることで叶えることができます。
感染のリスクなく安全にお別れの時間を過ごせるようになるのです。

エンバーミングの費用

エンバーミングにかかる費用は、15~25万円ぐらいが一般的です。

遺体の損傷の状態などにより、費用が前後します。
またエンバーミングを行う施設への搬送代などは、距離がながければ追加となる可能性もあります。

エンバーミングのメリット

エンバーミングを行うことのメリットは次の通りです。

長期間でも遺体を保全できる

遺体は時間の経過とともに腐敗が進んでしまいます。
ドライアイス処置などで防ぐことができるものの、長期間ドライアイスのみでの保全は難しいです。
エンバーミングを行えば葬儀までの日程が1週間以上空いてしまったとしても、遺体を安全に保全することができます。

「火葬場が空いていなくて、葬儀まで長引いてしまう」
「親族の仕事の都合で、葬儀できるのが1週間以上先になってしまう」
そんな場合でも安心です。

元気なころの顔でお別れができる

闘病によって顔がやせ細ってしまっていたり、反対にむくんでしまった場合でもエンバーミングを行えば元気だったころの顔に近づけることができます。
事故などで顔がくぼんでしまった場合などでも、エンバーミングなら修復ができる可能性があります。
遺族としても元気だったころの姿を見られるのは嬉しいですし、参列者の方にも生前の元気だった姿でお別れしていただけるのでオススメです。

感染症の危険なく故人に触れられる

故人が感染症にかかっていた場合、遺族への感染の危険があるため、故人の手や顔に触れてのお別れは難しくなってしまいます。
しかしエンバーミングを行うと、遺体の消毒や殺菌を行い、体液などの入れ替えも行われるため遺族への感染を防ぐことができます。

そのため故人が感染症にかかっていた場合でも、手や顔に触れて最後のお別れをすることができるようになります。

エンバーミングのデメリット

もちろんデメリットもあります。

費用が高い

エンバーミングには15万~25万円ほどの費用がかかります。
葬儀費用だけでも100万円前後はしますので、遺族の費用負担が大きくなる点は注意しましょう。

故人に会えない時間が生じる

エンバーミングの処置は通常3~4時間ほどかかります。
処置中は遺族が立ち会うことはできません。

そしてエンバーミングは専用の施設で行われるため、そこまでの移動の時間もかかります。
施設までの距離によりますが、半日以上、長い場合には1日以上は故人と離れなければなりません。
故人とずっと付き添っていたいという場合には難しくなってしまいます。

エンバーミングの流れ

エンバーミングは遺族が立ち会うことができないため、どのようなことが行われているのかを見ることはできません。
果たしてエンバーミングではどのような流れでどんな処置が行われているのでしょうか?

①書類提出
まずは「エンバーミング依頼書」と「死亡診断書」を提出します。
もし元気なころの姿に戻してあげたい、という希望があれば、その時の写真なども一緒に提出するとイメージ通りになる可能性が高まります。

②搬送
エンバーミングを行う専用の施設に故人を搬送します。

③洗浄・消毒
遺体の表面を洗浄・消毒します。

④洗顔・洗髪
まずは遺体の顔周りが整えられます。
洗髪や洗顔、保湿剤の塗布、希望によって髭剃りや産毛剃りも行われます。

⑤体内の洗浄・保全液の注入
遺体の一部を1㎝ほど切開し、血液などの体液を排泄し、代わりに保全液を注入します。
保全液を全身に循環させることで、体内を洗浄・保全します。

⑥消化器官などの残存物の除去
消化器官などに残っている食べ物、呼吸器官に残っている残存物なども吸引により除去されます。

⑦縫合、修復、洗浄
体液の排泄の際に切開した部分を縫合します。
そして再度身体全体の洗浄がおこなわれ、事故などで損傷がある場合には、修復が行われます。

⑧着付け
衣装の着付けを行います。
もし遺族からの希望がなければ、宗教宗派に合わせた衣装を、もし生前よく着ていた服など遺族から希望があればその衣装に着せ替えをします。

⑨化粧・納棺
最後に死化粧を施して、生前の自然な姿にします。
納棺はエンバーミング施設ではなく、自宅や安置施設などで遺族や葬儀社が立ち会って行われることもあります。

エンゼルケアとの違い

よくエンバーミングと混同される「エンゼルケア」
エンゼルケアは、エンバーミングと異なり、病院など亡くなった場所で看護師や施設職員、葬儀社などによって行わるものです。
全身を拭いたり、着せ替えをしたり、髪型を整えたり、傷口を手当てしたりと外見の部分を整える処置のみとなります。

エンバーミングを行う人は限られますが、エンゼルケアはほとんどの場合に行われるものです。

エンバーミングで保存されていた有名人

実はエンバーミングによって数年間も遺体が保存された、または現在でも保存されている有名人が世界中にいます。
代表的な有名人を紹介します。

・ウラジーミル・レーニン(ソビエトの革命家)
レーニンの遺体は、100年以上たった現在でも赤の広場の霊廟に綺麗な状態で保存されています。

・金日成/金正日(朝鮮民主主義人民共和国)
朝鮮民主主義人民共和国の指導者であった、金日成、金正日もエンバーミングによって現在でも平壌の錦繍山記念宮殿に保存されています。

・ホー・チ・ミン(ベトナム革命家)
ホー・チ・ミンの遺体も現在でもホー・チ・ミン廟に保存されています。

・毛沢東(中華人民共和国)
毛沢東の遺体も現在でも保存されていると言われています。公開されているものは本物の遺体ではなく蝋人形です。

・マイケルジャクソン(アメリカ)
2009年に亡くなったマイケルジャクソンの遺体もエンバーミングによって保存されていますが、公開はされていません。

・蒋介石/蒋経国(台湾)
両名の遺体は現在も桃園市の施設に安置されています。

・その他著名人
マリリン・モンロー/テレサ・テン/リンカーン

まとめ

エンバーミングは、遺体を安全に保全でき、また故人を元気なころの姿により近い形でお別れできる素晴らしい技術です。
その分費用の負担も大きいため、よく検討をしましょう。

この記事を書いた人

亀井 洋一

東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。

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