喪中でも年賀状が欲しい
高齢になり、人付き合いが少なくなってくると、年一回の年賀状でのやり取りでその人の近況を知るということも多くあります。
その年一回の年賀状が来ないというのは、寂しいものです。
また、身内が亡くなった上に、年賀状が一通もないと更に寂しくなるという人もいます。
年賀状が来なくなるのが嫌だからという理由で、あえて喪中ハガキをださずに、年が明けた後で寒中見舞いを出すという人も少なからずいます。
そのような人がいることから、近年「喪中だが、例年通り年賀状を送ってほしい。」という旨の文章を入れた喪中ハガキのプリントサービスも行われていますし、インターネットにも文例が多く載っています。
「年賀状は励みになりますのでお気遣いなくお送りいただけますと幸いです。」
「例年通り、近況をお知らせください。」などがよく見られる文例です。
また親しい相手であれば、手書きで「もしよかったら年賀状送ってください。」などと書き添える方法もあります。
喪中の人に年賀状を送るのはマナー違反?
相手が受取るという意思表示をしているのであれば、年賀状を送ってもマナー違反にはなりません。
そもそも喪中ハガキは、送る側が年始の挨拶ができないことを告げるものであり、受け取った側が年賀状を出すかどうかは関係ありません。
しかし喪中の相手に「おめでとう」というのも気が引けますし、マナー・風習として年賀状は出さないものと認識されています。
そのため、年賀状が欲しい人はあえて喪中ハガキに年賀状を受け取る旨を表記します。相手が受取りたいと言っているのだから、むしろ送って差し上げた方が喜ぶのではないでしょうか?
喪中の人に年賀状を送る時に気を付けること
とは言っても喪に服している人に対して「明けましておめでとうございます!!」というのは気が引けますね。でかでかと「HAPPY NEW YEAR!!」と書かれているのもいかがなものかと悩む方もいると思います。
そんな時にはお祝いの言葉を避けるという方法をお勧めします。
年賀状ではなく、「年始状」という形にする方法です。「新年のお慶び申し上げます。」や「新年明けましておめでとうございます。」ではなく「新年のご挨拶を申し上げます。」「本年もよろしくお願いいたします。」などという文章にすれば、お祝いの意味を避けながらも新年の挨拶をすることができます。
お悔みや相手を気遣い励ますような言葉を添えてもいいでしょう。
それでも、やはり気が引けるという方は、「寒中見舞い」を送るのが無難です。これは従来から一般的に喪中の相手への年賀状代わりとして用いられてきた方法です。「寒中見舞い」は、本来は寒い季節に相手を気遣う、季節の挨拶状です。1月8日以降に届くように送るのがマナーとされています。
まとめ
相手を気遣いながらも新年の挨拶をする方法として、「年始状」や「寒中見舞い」という方法をご紹介しました。
あえて、喪中ハガキに年賀状を受け取るという意思表示をしている方には年始状という形で送って差し上げれば、喪中であることを気遣いながらも新年の挨拶ができますし、年賀状を楽しみにしているお気持ちにも応えることができます。
「年賀状をお待ちしています。」と書かれた喪中ハガキを受け取った時に、思い出してみてください。

この記事を書いた人
亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)
東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。