供花の手配の仕方・マナー
遺族の了承を得る
供花を送る場合は、まず最初に遺族の了承を得る必要があります。
訃報の連絡を受けた際に「ご供花をお送りしてもよろしいですか?」と尋ねるといいでしょう。
家族葬などで、香典や供花をお断りするケースもあるので、確認が必要です。
また遺族の了承を得ずに、供花の送り主がそれぞれ自由に花の種類を決めて手配してしまうと、祭壇に添える花の統一感が無くなってしまい、祭壇自体の見栄えが悪くなってしまう可能性があります。
葬儀社に電話する
遺族の了承を得たら、次に葬儀を担当する葬儀社を遺族から聞いて、その葬儀社に電話をします。
そして「○○家にご供花をお送りしたいのですが」と伝えれば手配が出来ます。
この際、お通夜や葬儀の日程・喪家名を伝えると、話がスムーズです。
自分で花屋に直接依頼することもできますが、葬儀を担当する葬儀社に直接依頼するのがベスト。
祭壇との統一感が失われることや、宗教宗派等の違いにより送った花が飾れないという事態を防ぐためです。
そこからは葬儀社によって色々な方法がありますが、供花の注文用紙をFAXやメールで送ってもらうことが多いです。
そこに、供花の札に出す名前や花の種類を記入し、返送をします。
名前に間違いがあってはいけないので、正確に記入しましょう。
精算はこれも葬儀社によりますが、後日請求書が送られてくるか葬儀に参列するのであれば現地精算ということもあります。
注文時に確認しましょう。
自分で手配する場合
自分で花を選んで送りたい場合は、花屋やインターネットなどを通して手配することもできます。
ただし外部からの供花を受け付けていない場合もあります。
必ず葬儀の担当者に他の店で買った供花も受け付けているのかの確認と了承をとってから手配しましょう。
確認が取れたら、他の供花の色味や種類に合わせたお花選びます。
葬儀社に確認する際に、どのような色みや種類がいいかを聞いておきましょう。
そして、お通夜の前に会場に届くように時間を指定しましょう。開式ギリギリにならないよう注意してください。
供花の種類
供花の種類やマナーは宗教によって異なります。
葬儀社に依頼する場合には、自分で考える必要はありません。
自分で手配して供花を選ぶ際は、事前に葬儀の形式について遺族に確認し、適切な花を選びましょう。
仏式・神式
仏式・神式の葬儀に用いられるお悔やみの花は、菊・百合などの白い花です。
白い花をメインとして他の色の花を飾る際にも、華美にならないように調整します。
どのような規模の会場でも利用しやすいように籠盛りにしたフラワーアレンジメントが一般的です。
キリスト教
キリスト教の供花の意味合いは「故人の霊を慰める」ではなく「遺族への慰め」とされています。
仏式でよく使われる白い菊等ではなく、ランやユリ、カーネーションなどの洋花が多く使われます。
花環
「花環」も供花と意味合いは同じで、主に式場の入口に飾られます。(「花輪」と書く場合もあります)
近年、都心部ではほとんど見られません。
スペース問題や景観の規定などから花輪は辞退される傾向があります。
地方ではまだまだ花環の文化が残っているところが多いので、花輪を頼む際は葬儀を担当している葬儀社に花輪を受付けているかの確認してみましょう。
金額の相場
供花は2つセット(1対)で送るものとされていた時代もありましたが、今では、1つ(1基)で送ることも増えています。
平均的な金額相場は、1基なら¥15,000~¥20,000です。
一対にして送るなら2つセットで倍になるため、¥30,000~¥40,000となっています。
あまりに相場からかけ離れた金額の供花をしてしまうと、遺族に気を遣わせてしまう可能性があるので相場を考えることも大切です。
自身と故人との関係を思い返して、適切な価格帯の供花を選ぶようにしましょう。
【遺族向け】供花に対するお礼のマナー
供花は故人へのお供えなので、本来は香典返しと違い、お礼の品物を返す必要はないとされています。しかし、できるだけ早くお礼状を出すのがマナーとされています。
もしもお返しの品を送る場合は、贈られた供花の約1/2~1/3の金額を相場として、お茶やお菓子など無くなるものなどを送ります。
判断に困ったときは葬儀社や周りの人に相談してみてください。
供花についての基本的な知識・相場・マナーについて紹介しました。プレゼントを選ぶ際にもらった相手の気持ちを考える事が大切であるのと同じように、供花は誰がいくらお金をかけたのかを競うようなものではありません。お返しなどで遺族の方に過度に気を使わせてしまうことの無いよう、相手に思いやりをもって、常識の範囲内で選ぶようにしましょう。

この記事を書いた人
亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)
東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。