「いつ」支払うか・葬儀費用を支払うタイミング
一般的に葬儀費用を支払うタイミングは、「葬儀終了日から一週間程度」になっていることが多いです。また、葬儀社によっては依頼した際に前金として総額の半額や数万円を支払うケースもあるようです。
しかし、葬儀は突然のことであるので、十分に葬儀費用が用意できない場合も多いです。この場合、高額な費用をすぐに工面することは難しいことを葬儀社も理解しているので事前の相談にもよりますが、葬儀社によっては支払いを少し待ってくれるところや、ローンでの分割支払いにしてくれるところもあります。
支払い方法についてはトラブルが発生しやすいので、一度冷静になって前もって支払いについて考えておいたことを葬儀社に相談しましょう。
「だれが」支払うのか・葬儀費用を支払う人
一般的な慣例として、「葬儀費用は喪主が支払うべきもの」だとされています。しかし、葬儀費用を誰が支払うべきなのかは法律では定まっていません。そのため葬儀費用は、まずは相互扶助の考えで喪主に贈られた香典や弔慰金を葬儀費用に当て、それでも足りない場合は、故人の財産から捻出すると考えられています。
「どのように」支払うか・葬儀費用の支払い方法
葬儀費用の支払い方法は、葬儀社にもよりますが主に3つの方法があります。
現金
最も一般的な支払方法とされています。葬儀社に直接手渡しに行ったり、銀行振り込みで支払います。しかし、法要や墓の費用、病院への支払い、故人の遺品の整理といった葬儀社の支払い以外にもお金が必要となってくる場合もあるため、今後のことも考えてから選択しましょう。
現金手渡しで支払う場合は、お布施のように特別な封筒へ入れる必要はありませんのでご安心ください。
クレジットカード
最近ではクレジットカードで支払いが選択できる葬儀社も増えてきました。
支払い方法は通常のお買い物と同じく、一括・分割払い・ボーナス払いを選択できる他、クレジットカードのポイントもためることができます。分割払いにする場合は、葬儀費用が高額なため利息も発生してしまうので注意しましょう。
また、葬儀費用が高額なためにクレジットカードの利用限度額に引っかかってしまい、支払うことができない場合は、クレジットカード会社に問い合わせて「利用限度額の一時引き上げ」サービスの確認をしてみましょう。
ローン支払い
現金支払いが難しく、クレジットカードも持っていない・使えない場合には、「葬儀ローン」というものを利用することができます。
葬儀ローンは、その名の通り信販会社と葬儀社が提携して取り扱うローンです。こちらは葬儀社で手続きが出来るため、あまり手間がかからず、融資も早いです。また、ローンの審査はありますが、多くは即日審査も可能となっています。
葬儀ローンはクレジットカードの分割払いと同様に利息が発生するので、返済計画をきちんと考える必要がありますが、支払いが難しい場合は検討するとよいでしょう。
注意点
葬儀費用の支払いには次の点に注意をして冷静に対処するよう心がけましょう。
見積もりの際
葬儀費用のトラブルの多くは、請求された金額が把握していた金額と違う場合に起こります。そのようなトラブルを避けるために、見積もりをする際に「総額の見積もり」をもらうことが大切です。また、その際に他にかかる費用がないのか確認をとってメモなどを残しておくといいでしょう。
互助会・共済会に入っている場合
この場合でも総額の見積もりをもらっておきましょう。互助会・共済会に入っている方は、今までの積立金ですべての葬儀費用を充当できると考えている方もいらっしゃいます。しかし、葬儀プランによっては葬儀当日になってみたら想像を超えた金額を提示され、積立金では足りなかったという例は少なくありません。場合によっては積み立てを解約して、別の葬儀プランにした方が安かった。といったケースもあるので、一度葬儀社に問い合わせてみるといいでしょう。
故人の預金口座の凍結
金融機関は口座主が死亡したことを知ると、預金口座を凍結します。凍結された口座から預金を引き出す為には、相続人全員の同意やさまざまな書類が必要になるため気をつけてください。もし葬儀費用を死亡した人の口座から支払いたい場合は、まず一つの方法として、法定相続人全員に了承をもらった上で、銀行に死亡の連絡をする前に葬儀費用相当額を下ろしてしまう方法がありますが、必ずすべての法定相続人の了承をとっておかないと、持ち逃げと思われる恐れがありますので十分注意しましょう。
経済的な事情でどうしても葬儀費用が賄えない場合
この場合、生活保護葬とも呼ばれる、葬祭扶助制度を利用した葬儀をあげる方法もあります。
ですが、この葬祭扶助制度は生活保護法に基づいて支給されるため、扶助を受けるには条件を満たしている必要があります。その条件とは「遺族が困窮のため最低限度の生活を維持することができない場合」、そして「扶養義務者がいない方が亡くなり、家主や民生委員といった方が葬儀を行う場合」の2点です。どちらかの条件を満たしている方は葬祭扶助を受けることもできる場合がありますので、調べておいてみてもいいかもしれません。
今回は葬儀費用にまつわることをいくつかご紹介いたしました。繰り返しになりますが、葬儀費用は高額で、形式や規模によって大きく変化していきます。対応する葬儀社によって支払うタイミングや方法も異なってきますので、後で後悔しないためにも事前に納得のいくまでご相談されることをおススメいたします。

この記事を書いた人
亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)
東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。