運営会社からの正式発表
どんな葬儀を行うにしても必ずかかる費用である、火葬料金。
その火葬料金が2021年1月から値上げされます。
値上げされる火葬場は、東京23区内にある町屋斎場、四ツ木斎場、桐ケ谷斎場、代々幡斎場、落合斎場、堀ノ内斎場の6つです。
これらの火葬場は「東京博善株式会社」が運営する、民営の火葬場。
11月吉日、「東京博善株式会社」から「火葬料金改定についてのお知らせ」として正式発表されました。
それではいくら値上げされるのでしょうか?
値上げ幅は1.6万円
6つの火葬場には、貴殯館、特別殯館、特別室、最上等、小型炉と5種類の火葬炉がありますが、ほとんどの人が最もスタンダードな最上等を利用します。
その火葬料金は現状59,000円です。それが1月からは75,000円になります。16,000円の値上げです。(小人は32,300円→42,000円と10,000円の値上げ)
その代わり(?)に、特別殯館は177,000円→145,000円の値下げとなります。
東京博善株式会社からの正式発表(https://www.tokyohakuzen.co.jp/pdf/20201106release.pdf)
ほとんどの方が利用する最上等の火葬炉の火葬料金が上がるので、23区民には大きな影響が及びます。
純粋に火葬料金の負担が増えるだけでなく、周りの火葬料金が安い火葬場に人が流れていくと、火葬場が混み合い、亡くなってから葬儀までの時間が長くなる、安置料が高くなるなどという影響も考えられます。
そしてそれを防ぐために、周辺の火葬場も値上げを......という可能性も十分にあり得ます。
東京23区の火葬場事情は、他の地域のものとは大きく異なります。他の地域では、火葬場のほとんどが公営です。
人は誰でも死ぬので、火葬場運営は公共性の高いものとされているからだと言えます。
しかし東京23区には、公営の火葬場は2つだけ。江戸川区にある瑞江葬儀所と、大田区にある臨海斎場のみ。その他の火葬場は全て民営なので、火葬料金等はある程度自由に変更ができるという事情があるのです。
そのため、各自治体の公営の火葬場が地域住民なら0円~数千円という中、東京博善株式会社が運営する6つの火葬場は火葬料金が割高になっているのです。
火葬料を抑えるには?
町屋斎場、四ツ木斎場、桐ケ谷斎場、代々幡斎場、落合斎場、堀ノ内斎場は、民営のため、設備がとても綺麗で整っています。
そのため、費用が高くても綺麗な施設を利用したい方にはとってもオススメです。
しかし経済的な負担をできるだけ抑えたいという方には、火葬料金75,000円は少し高い。。。休憩室の利用料も含めると10万近くなります。
そこで、少しでも費用を抑える方法をご紹介します。
港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区の方は臨海斎場
港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区の方には、大田区にある「臨海斎場」の利用をおススメします。
臨海斎場は上記の区の合同組合が運営する公営の火葬場で、港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区の方であれば火葬料金は40,000円です。
江戸川区周辺の方は瑞江葬儀所
江戸川区周辺の方には「瑞江葬儀所」の利用をおススメします。
瑞江葬儀所は、唯一東京都が運営する公営の火葬場で、都民の方であれば火葬料金は59,600円です。
現行では、町屋斎場、四ツ木斎場、桐ケ谷斎場、代々幡斎場、落合斎場、堀ノ内斎場よりも高いですが、1月以降は、瑞江葬儀所の方が低価格になります。
足立区の方は谷塚斎場
足立区の竹ノ塚や西新井付近の方は、「谷塚斎場」の利用をオススメします。
谷塚斎場も民営の火葬場で、火葬料金は59,000円と、現状は同額ですが、1月以降は谷塚斎場の方が低価格になります。
火葬料金が低価格でも、距離が遠いと搬送料がかかり、総額は変わらなくなってしまう場合もあります。そのため千住や綾瀬付近の方は要検討です。
区民葬なら火葬料金はそのまま
町屋斎場、四ツ木斎場、桐ケ谷斎場、代々幡斎場、落合斎場、堀ノ内斎場を利用しても「区民葬儀」という制度を利用すれば、火葬料金は53,100円です。
区民葬儀を行えるのは、故人または喪主になる方が23区に住所がある場合のみです。また区民葬儀を行いたい場合には、東京都の葬祭組合に入っている葬儀社に葬儀を依頼する必要があります。
23区内で区民葬儀に対応している葬儀社は、コチラのページから各区のページを選択していただくと確認することができます。
補助金の申請で料金負担を軽減
自治体などから葬儀費用の補助金がもらえることを知っていますか?
葬儀費用の補助金の申請をすることで、受け取ることで火葬料金の負担が実質軽減されます。
国民健康保険、後期高齢者医療制度に加入している人なら、申請により23区内であれば葬祭費7万円が支給されます。
町屋斎場、四ツ木斎場、桐ケ谷斎場、代々幡斎場、落合斎場、堀ノ内斎場を使いたい、または使わざるを得ない場合でも、葬祭費を申請すれば負担が軽減されます。
葬儀を行った日から2年以内に申請を行わないともらえないので、注意してください。
また、企業などの協会けんぽや組合健保、共済組合などに加入している場合でも「埋葬費」として5万円前後が支給される制度があります。こちらも申請をしなければもらえないので加入している健康保険をかならず確認しましょう。
葬祭費の支給についてはコチラ
葬儀社の反対も?
日本人のほとんどが火葬を行うため、火葬場は大変公共性が高い施設と言えます。
そのため今回の値上げには、周辺の葬儀社からの大きな反発があるようです。
世田谷区の葬儀社「佐藤葬祭」様、怒りの動画(YouTube)
→https://www.youtube.com/watch?v=s6OIye-ETso
まとめ
・東京博善株式会社が運営する火葬場、町屋斎場、四ツ木斎場、桐ケ谷斎場、代々幡斎場、落合斎場、堀ノ内斎場の火葬料金が59,000円から75,000円に16,000円の値上げ
・火葬料金の負担が増えるだけでなく、周りの火葬場が混み合う可能性も
・火葬を行う場所を検討しましょう
・火葬料金の負担を軽減するために、葬祭費・埋葬費の申請を忘れずに!
東京23区の方には大きな影響がある情報なので、23区内に住んでいるお知り合いがれば、共有をお願いします。

この記事を書いた人
亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)
東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。