「生活保護でも葬儀できる?」自己負担”0円”の生活保護葬とは

最新編集日:2021年08月22日

「生活保護でも葬儀できる?」自己負担”0円”の生活保護葬とは

「生活保護を受給していて、葬儀代が払えない」

「故人が生活保護受給者だった」

という場合でも、葬儀を行える制度があるのを知っていますか?

日本では、人が亡くなったら適切に火葬・埋葬を行うことが義務付けられているので、どんなにお金がない方でもきちんと行えるよう、制度が整えられています。

しかしその制度がしっかりと知られていないことから「葬儀費用が払えず、親の遺体を家でずっと放置。発覚し、死体遺棄で逮捕」なんて事件も起こっています。

ここでは生活保護を受給している方が負担“0円”で行える「生活保護葬」という制度について、申請の流れや内容まで詳しく解説します。

  

生活保護葬とは?

生活保護葬とは、喪主が生活保護を受給しているなど、経済的に困窮状態にある場合や、故人に身寄りがなく葬儀費用が出せない場合などでも、必要最低限の葬儀を行えるよう、国が葬儀費用を負担してくれる制度です。

生活保護法の第18条で「葬祭扶助」として定められています。
「民生葬」「福祉葬」などとも呼ばれ、遺族の葬儀費用の負担は0円です。
通夜や葬儀を行わずに火葬のみを行う、火葬式(直葬)という形式になります。

生活保護葬を行うためには、葬儀前に自治体の福祉事務所に葬祭扶助の申請をし、支給を認められなければなりません。

そうです。申請すればOKではなく、葬祭扶助を支給するべきかの審査があるのです。
では、認められるためにはどのような条件が必要なのでしょうか?

生活保護葬の葬祭扶助が認められる条件

葬祭扶助が認められるためには、以下の条件いずれかを満たしている必要があります。

喪主が生活保護受給者

喪主になる人が生活保護受給者で、葬儀費用を負担できない状況の場合に認められます。

故人が生活保護受給者で身寄りがない

故人が、生活保護を受給しており、身寄りがない場合に認められます。
この場合は、家主や民生委員、後見人など遺族・親族以外が葬儀を手配する場合が想定されています。
また、身寄りがあったとしてもほとんど面識のない遠縁の親族などに、遺骨の引き取りを拒否された場合に、第三者が葬儀を手配するという場合でも同様です。
次に詳しく説明しますが、生活保護を受給していた故人が、葬儀費用に充てられるだけの資産を残していた場合には、認めらません。

生活保護葬が認められないケース

喪主や故人が生活保護を受給していても、必ずしも生活保護葬を行うための葬祭扶助が認められるわけではありません。
葬祭扶助が認められないケースをいくつかご紹介します。

生活保護を受給していた故人に資産がある

故人が生活保護を受給していても、葬儀費用を賄えるだけの預貯金などの資産があった場合には対象外になってしまいます。
また、葬儀費用の全額が賄えない場合には、不足分のみに葬足扶助が充てられます。

親族に葬儀費用を支払える経済状況の人がいる

扶養義務者である、子、父母、祖父母、孫、兄弟姉妹のうちに、葬儀費用を支払えるだけの経済状況がある人がいると判断されると、葬祭扶助が認められないことがあります。
生活保護葬は税金を使用しての葬儀になるので、役所としてもできるだけ親族に負担してもらうように、働きかけることが多いようです。

葬祭扶助の金額

葬祭扶助の金額には上限があります。
自治体や年度によって異なりますが、およそ大人は206,000円、子供は164,800万円の範囲内です。
先ほど説明した通り、故人に資産があった場合には、不足分のみとなります。

生活保護葬の内容

生活保護葬の内容は「必要最低限」です。
通夜や告別式を行わない、火葬式(直葬)と呼ばれるものになります。

生活保護法第18条で定められている内容は次の通りです。
・死亡診断書(死体検案書)発行費用
・遺体搬送費
・ドライアイスや安置料など
・棺・骨壺などの費用
・火葬費用

これ以外の、宗教者を呼んだり花を飾ったりする葬儀を行うことはできません。
その費用が捻出できるのであれば、火葬を行う費用を捻出できると判断されるからです。

生活保護葬の申請の流れ

では、生活保護葬の申請の流れを紹介します。
一番大切なことは、葬儀を行う「前」に必ず申請を行うことです。
そして、最初に生活保護葬を行いたい旨をしっかり伝えておけば、実は喪主がやるべきことはほとんどありません。
葬儀社と役所でやり取りをしてくれます。

1.担当者、葬儀社への連絡

生活保護受給世帯の人が亡くなったら、担当の民生委員やケースワーカーさんに連絡をしましょう。
そうすると、今後の対応について相談に乗ってもらえます。
葬儀社を紹介してくれた場合には、葬儀社にも連絡をして生活保護葬を検討している旨を伝えましょう。

生活保護を受給していても葬祭扶助の条件を認められない場合も考えられるので、できれば生前に相談しておくことをオススメします。

2.葬祭扶助の申請

管轄の福祉事務所に葬祭扶助の申請をします。
申請は必ず葬儀の「前」に行わなければならないので注意してください。

先に葬儀社に連絡をしておけば、申請の手続きなどは代行してくれます。

葬祭扶助を申請する方と故人の住民票が違う場合、原則は申請者の住民票がある自治体に申請します。
しかし故人が生活保護を受給していた場合には、故人の住民票がある自治体にも確認をしておきましょう。

3,葬儀社との打合せ

葬儀社と、葬儀を行う場所や日時について打合せを行います。
葬儀内容についても説明を受けますが、生活保護葬ではほとんど内容が決まっているので、喪主がきめることはほとんどありません。

4.葬儀

葬祭扶助の範囲内での葬儀を行います。
通夜や告別式を行わない、必要最低限の「火葬式(直葬)」という形式になります。

5.葬儀費用の支払い

葬儀費用は、役所から直接葬儀社に支払われます。喪主を介すことは原則ありません。

生活保護葬に詳しい葬儀社を選びましょう

生活保護葬も、葬儀社選びが重要です。
役所が紹介してくれる葬儀社に依頼するのもいいですが、親切な葬儀社さんを自分で選ぶこともできます。
生活保護葬を受け付けていない葬儀社、生活保護葬と分かると態度が悪くなる葬儀社などもいます。
事前に、生活保護葬に詳しく、親切に対応してくれる葬儀社に相談をしてみることをオススメします。

各市区町村ページで生活保護葬に詳しい葬儀社を紹介していますので、問合せをしてみてください。

まとめ

・生活保護を受けている場合も、葬祭扶助制度を利用して「生活保護葬」という葬儀を行う事ができる。
・「生活保護葬」は必要最低限の内容のみ(「火葬式(直葬)」)
・金額は大人206,000円、子供164,800万円の範囲内
・「生活保護葬」を行うためには、葬儀前に必ず申請しなければならない
・葬儀費用は喪主ではなく、葬儀社に直接支払われる
・必ず生活保護葬ができるとは限らないので、生前に民生委員やケースワーカーさんに相談をしておく
・生活保護葬に詳しい、親切な葬儀社を自分で見つけておく

これだけ知っておけば、安心です。
もし身近に困っている人がいる場合などにも、教えてあげてください。

この記事を書いた人

亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)

東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。

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