親族はどこまで呼ぶ?
親族をどこまで呼ぶかどうか、結構迷うところです。結論を言ってしまうと人それぞれですが、実際に葬儀を行った方の実例をいくつか紹介します。
2親等以内だけで行う
故人や喪主のお孫さんなどぐらいまで、と血縁の近さを基準として判断するケースがありました。
生前の交流の深かった方のみで行う
親族といえ、あまり会ったことない、交流はほとんどなかった、という方以外のみで集まるという方も。
先ほどの親等が近い人+関係性が近い人という判断をされる方が多かったです。
地域が近い方のみで行う
関東⇔関西など長距離移動を要する方は遠慮してもらう、県内に住んでいる親族のみで行うなど、地域で判断する方もいらっしゃいます。
実際には判断軸はどれか1つでなく親等や交流の深さ、地域などを総合的にみてみなさん判断しています。
またお声がけをして、参列するか否かの判断は相手にお任せするというパターンもありました。
参列を遠慮してもらう時にはなんて言ったらいいの?
参列を辞退する場合には、「葬儀前に訃報を伝えずに、葬儀後に連絡する」か「葬儀前に訃報を伝える際に、参列辞退の旨を伝える」という方法があります。
近い親戚であれば、亡くなった時点で訃報を伝えるべきでしょう。
訃報を伝える際に「このような状況なので、近しい家族のみで行うことにしました。」と言えば大丈夫です。
そして香典や供花を辞退する場合には「恐れ入りますが、ご香典やご供花もご辞退申し上げます。」と
明確に辞退の意思をお伝えしましょう。

一般の参列者は招く?
故人や喪主の交流関係が広かった場合には、一般の参列者を招くという選択肢をとる方もいらっしゃいます。
ただし斎場によっては人数制限を設けているところもあります。
参列者を数多く招く予定があれば、人数制限について葬儀社や斎場に確認を取りましょう。
葬儀の案内をし、参列するか否かは相手にゆだねます。
その場合には葬儀社と相談のうえで、万全の対策を取りましょう。気を付けるべきポイントは後ほど解説します。
遠方のお坊さんに来てもらう?
お墓があるお寺、お付き合いのあるお寺(菩提寺)が遠方にある場合などには、お坊さんを呼ぶかどうか、検討が必要です。
遠方の菩提寺のお坊さんを呼ばない場合には、葬儀社に同じ宗教宗派のお坊さんを手配してもらうこともできます。
その際には必ず菩提寺に連絡をしてください。
そうでないとお墓に入れなくなってしまう可能性もあります。お寺のお墓に入るにはそのお寺のお坊さんにお経をあげてもらい、戒名を付けてもらうのが原則だからです。(霊園などであれば問題ありません)
連絡をして「このような状況下でお越しいただくのは心配なので葬儀社に手配をしてもらう予定なのですが、お墓には入る際に供養していただけますでしょうか」と伝えましょう。
お坊さんもこの状況なので事情は分かってくれます。遠慮せずに事情を伝えても失礼に当たりません。
オンライン葬儀ってどうなの?
実際に足を運んでの参列を遠慮いただいた場合でも「オンライン葬儀」を利用すれば、リモートで参列してもらうことができます。
しかし、葬儀検索サイト「葬儀屋さん」の調査によると、実際にオンライン葬儀に参列したことのある人は2020年11月時点で約1%でした。認知度はあがってきたものの実際にはまだあまり利用されていないようです。
オンライン葬儀を行いたい場合には、葬儀社に相談をしましょう。
オプションですごいオンラインシステムなどの使用をすすめてくる場合もあります。
かなり高画質の映像や性能を求めるならば必要かもしれませんが、そうでない場合はzoomやLINEビデオ電話でも十分です。
自宅で葬儀を行う?
外出を最小限に抑えるということで、自宅での葬儀「自宅葬」を選択する方もいます。
「ステイホーム葬」と呼ばれることも。
住み慣れた自宅で最期の時間を家族と過ごし、火葬場に直接移動をするという流れになります。
マンションやアパートだと難しいですが、一軒家であればだいたいの家で自宅葬ができます。
式場使用料や安置施設使用料がかからず経済的にもお得です。
【参考】自宅葬に対応する葬儀社
東京葬儀:緊急事態宣言以降、数多くの自宅葬をお手伝いしてきました。
セレモニー結:「家庭葬プラン」を用意、2畳ほどのスペースがあれば、祭壇を飾ることができます。
かながわセレモニーサポート:6畳一間でも十分なお別れができるそうです。

葬儀の日程は?
長い時間人が集まることを避ける必要があることから、葬儀の日程・時間についても考えなければなりません。
葬儀の形式を日程・時間で分けると「火葬式(直葬)」「一日葬」「二日葬」の三つに分かれます。
「火葬式(直葬)」は、儀式的なことを行わずに、火葬のみを行います。時間的に最も短縮された形なので緊急事態宣言下で急増しました。
火葬前にお経をあげてもらったり、お別れの時間を作ることもできますが、時間は5~20分程度。
時間とともに費用も抑えられるのですが、人によっては「十分にお別れができずに気持ちの整理ができなかった」「もっとゆっくりお別れしたかった」と後悔することもあります。
葬儀の種類については下記の記事も参考にして下さい。

一日葬が急増
そこでお別れの時間も確保できて、時間も短くできることから「一日葬」という葬儀が選ばれています。
一日葬は、通夜を行わずに、火葬の当日に火葬前1~2時間ほど時間を取り葬儀・告別式を行います。
火葬式(直葬)よりお別れの時間を取りつつも、通夜を行うより短時間で行えることから、緊急事態宣言下では火葬式(直葬)とともに急増しました。
二日葬も回復傾向?
ワクチン接種も進んできたことから少しずつコロナ前の規模に戻りつつあります。
そのため二日葬の割合も回復傾向です。
葬儀社や斎場側も、マスクや消毒液、体温計などコロナ対策用品をしっかりと確保できるようになり、万全の対策を行えるようになってきたことも影響しています。
そこで注目されるのが、家族で泊まれる式場です。通夜を行った後に、家族だけでゆっくり宿泊。
多くの方に見送ってもらうことができない分、家族だけでゆっくり見送ってあげたい、家族だけの時間ならゆっくり快適に過ごしたいというニーズにこたえる、宿泊可能な家族葬専用式場が評判を呼んでいます。
浴室やアメニティ、布団などが完備されているところは特に評判です。 またコロナ禍で旅行などに気軽に行くことができない状況でも、「故人との最後の家族旅行」として旅館やホテル気分を味わうことも。
【参考】浴室やアメニティ付きの宿泊可能な家族葬専用式場
・ワンフロア貸し切りで宿泊できるスペースアデュー(東京都台東区)
・アメニティグッズ充実の想送庵カノン(東京都葛飾区)
・シャワー室完備のホール清庵(東京都墨田区)
・シャワー室完備のファミリア多摩(東京都多摩市)
・シャワー室完備の東典礼(東京都町田市)
・自宅のようにくつろげるセレモニーハウス港南台(横浜市港南区)※川崎・横浜地域に多数系列の「セレモニーハウス」があります。
・充実した設備の平安会館たま(神奈川県川崎市多摩区)※川崎・横浜地域に多数系列の「平安会館」があります。
・マッサージチェアまである家族葬ホール海老名(神奈川県海老名市)
・シャワーやベッドも完備のオーロラホール大宮(埼玉県さいたま市大宮区)
・シャワー室完備のおいはな会館(千葉県柏市)
・バスルーム完備の白里海岸ホール(千葉県大網白里市)
・バスルーム完備の家族葬ホール古河(茨城県古河市)
・バスルーム完備のぐんかんアモート北代田(群馬県前橋市)
食事はする?
外食の自粛などが呼び掛けられているなか、葬儀での食事もどうするか迷う方が多いです。
緊急事態宣言下では、食事や酒類の提供を禁止している斎場が多くありましたが、緊急事態宣言解除とともに解禁されています。
それでも、コロナ前のように通夜後には酒類やオードブルの料理を出して、参列者をもてなすということはまだ少ないです。
選択肢としては
①食事は行わずに、お弁当やグルメギフトを渡す
②大皿のオードブルなどではなく、小分けにして提供
③間隔をあけて座る
④パーテーション(仕切り)を設置して食事をする というものがあります。
やはりマスクを外しての会話となる食事は心配ということから、参列者を招く場合には①のお弁当やグルメギフトにしてお持ち帰りいただくケースがまだ多いです。
コロナ禍の葬儀の注意点は?
家族葬での注意点
家族だけで葬儀を行う場合でも、マスクの着用、手指の消毒、体温計測、席の間隔をあけるなどの最低限の感染防止対策を行いましょう。
葬儀社側も同様の対策を行っており、遺族にも声掛けをしています。
逆にこのようなご時世で、このような最低限の対策を行っていない葬儀社は警戒した方がいいです。
参列者を招く場合の注意点
故人や喪主の生前の交流関係から、参列者を多数招いての葬儀を行う場合にはどのようなことに注意したらいいでしょうか?
まず家族葬と同様、マスクの着用や、手指の消毒、体温計測を呼びかけをして徹底をしましょう。
また葬儀社と相談をして下記のような対策も検討しましょう。
・通夜前の時間でも焼香できるようにして、参列の時間を分散させる
・着席はせずに、焼香のみでお帰りいただく
・その場で料理を食べるのではなく、お弁当やグルメギフトをお持ち帰りいただく
葬儀でクラスターが発生してしまったら故人も浮かばれません。万全な対策を行いましょう。
緊急事態宣言解除で葬儀はどうなった?
緊急事態宣言の解除による葬儀への影響は下記の通りです。
・通夜と葬儀を行う二日葬が回復傾向に
・「コロナ禍だから」という理由で参列者を招かない選択をとらざるを得ない方が減少
(コロナ以前から、故人が高齢で交友関係が少ないなどの理由で参列者を招かない方もいらっしゃいました)
・酒類の提供が解禁されて、コロナ以前のように飲食をする遺族や参列者の数も少し回復傾向
葬儀社とよく相談を
ここでは首都圏で代表的なコロナ禍での葬儀について紹介しました。
地域によって感染拡大状況も異なりますし、それぞれの故人や家族の事情も異なります。
一番は葬儀社と相談をしながら、よりベストに近いお別れの形を実現することです。
コロナが流行し出してから、約1年が経とうとしているなかで、葬儀社も様々なケースの葬儀を経験しています。
状況や希望を伝えつつ、他の方がどのように行ってきたかを聞いてアドバイスをもらうのが一番です。


この記事を書いた人
亀井 洋一
東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。