亡くなってから24時間以内に火葬できない理由
亡くなってから24時間以内は基本的には火葬を行うことができません。
これは「墓地、埋火葬に関する法律」の第3条で「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。」
と決められているためです。
これは「蘇生の可能性」があった時代の名残です。
まだ医学が発展していない時代には、死亡と診断したものの搬送中や火葬中に蘇生をしてしまう、なんてことも。
今でもたまに海外のニュースで耳にすることもあります。
しかし実際には今の日本の医療技術、医療体制ではまずありえません。
制定された昭和23年当時から残っているというだけなのです。
24時間以内に火葬してもいいケースもあるの?
例外もあります。
・妊娠七ヶ月に満たない死産のとき
・感染症での死亡の場合
は24時間以内でも火葬・埋葬することが可能です。
死産の場合には蘇生の可能性が低い為です。また感染症での死亡の場合は感染症の蔓延を防止するため極力早く、火葬をしなければなりません。
首都圏では24時間以内火葬は実質ムリ?
このような法律があるものの、必要以上に意識することはありません。
というのも、首都圏では火葬場の数が死亡者に対して足りておらず、予約が1週間先なんてこともざら。
また通夜・葬儀を行った場合は火葬するときにはすでに24時間経過していることが多いので、むしろ24時間以内に火葬を行うことは首都圏では実質難しいのです。
火葬式(直葬)を希望している場合に「病院からそのまま火葬場に運んでもらえますか?」という問い合わせがたまにあります。
今回説明したように、死亡してスグ火葬が出来ないので一度自宅や安置所に預ける必要があることは覚えておきましょう。
コロナで亡くなったら24時間以内に火葬しなければいけない?
新型コロナウイルスで亡くなった場合、24時間以内に火葬をしなければならないと勘違いしている方がいます。
確かに、新型コロナウイルスは指定感染症のため、死後24時間以内に火葬することが可能です。
しかし「しなければならない」わけではありません。
首都圏では、新型コロナウイルスで亡くなった方の火葬の時間は限られており、24時間以内に火葬することは難しいです。
しかし「24時間以内に火葬をしなければならない」わけではないので安心してください。

この記事を書いた人
亀井 洋一
東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。