知っておきたい葬儀の種類。家族葬、一般葬などの特徴とメリットデメリットも解説

最新編集日:2022年05月09日

知っておきたい葬儀の種類。家族葬、一般葬などの特徴とメリットデメリットも解説

近年は葬儀の形を選べる時代です。葬儀には宗教や形式によって様々なプランがあります。それぞれに特徴があり、費用や規模などが大きく変わってきます。

さらに近年では特定の宗派を持たない方が増えたこともあり、宗教色の少ない葬儀も増えてきました。

万が一の時、数多くのプランの中から自分に合った葬儀を選ぶにはどうしたらいいでしょうか。今回は各葬儀の特徴とメリットデメリットを紹介します。

  

仏教

日本で行われる葬儀の約90%は仏式です。
各宗派によって細かな違いはありますが、基本的には故人と最期の時間を過ごす「通夜」と「告別式」を行い、僧侶による読経、そして戒名をいただきます。参列者は焼香を行ったり数珠を用いたりして故人の成仏を願うのです。

葬儀後には故人の死後の待遇が良くなるようにと、四十九日・年忌法要を行います。

神道

神道は日本に古くから伝わる宗教です。神道での葬儀は「神葬祭」と呼ばれ、「故人を守護神として留め、子孫の家で見守ってもらう」ことを意味します。神道では死を「穢れ」として扱うため、葬儀は自宅や斎場で行います。神の屋代である神社で執り行うことはできません。

神葬祭は通夜祭・葬城祭と2日間に分けて行われ、仏式の戒名にあたる諡号(しごう)、焼香にあたる玉串奉奠(たまぐしほうでん)などの儀式を行います。葬城祭後は法要にあたる霊祭を行うのが一般的です。

キリスト教

キリスト教での葬儀は、死は神のもとへ近づく祝福であると捉えられ、仏式ほど故人を悼む雰囲気は強くありません。
またカトリックとプロテスタントという教派によって葬儀の意味が異なります。カトリックではキリストの再臨と死者の復活を願い、プロテスタントでは神への感謝と遺族への慰めの意味を持ちます。

本来キリスト教の葬儀に通夜はありません。しかし日本では仏式にならって通夜を行うことも。葬儀では聖書の朗読、献花を行います。カトリックでは聖歌、プロテスタントでは讃美歌を歌い、故人を見送ります。

社葬

社葬とは企業が運営主体となって行われる葬儀のこと。企業の創業者、社長や会長、役員など、企業に大きく貢献した人が亡くなった時に行われることが多いです。

故人への哀悼だけでなく、故人が企業に残した業績を示し、後継者にバトンタッチすることを社内や関係企業等に示すという目的があります。

役割や費用負担も一般葬とは異なります。一般葬では、遺族が喪主・施主を務めますが、社葬では遺族が喪主、会社が施主、儀式委員長を会社の社長や幹部が担います。儀式委員長とは葬儀を中心で運営する立場の人です。また葬儀費用は企業が全額・一部分を負担することが多いです。

密葬

密葬とは故人と故人に近しいごくわずかな人たちのみで行う葬儀です。参列者が限られるだけで、通夜・告別式は通常通り行われます。

家族葬との違いは、密葬は後日改めて「本葬」「お別れ会」などの大規模な葬儀を行う前提になっていることです。密葬のみを執り行うことはありません。著名人や大企業の社長などは認知度が高く「本葬」や「お別れ会」には多数の人の参列が見込まれるため、事前に近親者のみで密葬を行うことがあります。

葬儀の種類

葬儀にはいくつかの種類があります。
葬儀に参列する人数や日にちによって、葬儀の形が変わってきます。

ここでは、各葬儀の特徴とメリット・デメリットについて見ていきましょう。

一般葬

みなさんが「お葬式」と聞いて思い浮かべる葬儀形式が「一般葬」です。最もスタンダードな形で、通夜・告別式と2日間にわたって葬儀を行います。親族友人だけでなく仕事づきあいのある方、近所の住民などもお呼びし、皆で故人を偲びます。

一般葬のメリットは、
しきたりや風習を守ることができること
これまでお世話になった方と故人を見送ることができること
です。これまでの人生でご縁があった方たち皆と故人を偲ぶ時間は素敵なものです。

一方でデメリットもあります。
参列者が多く挨拶や対応であわただしい葬儀になってしまうこと
当日まで参列者の人数の予測が立たないこと
です。葬儀の日に初めてお会いする方もいらっしゃる可能性があります。また、葬儀日数・参加人数によって費用が高額になりやすいです。

一般葬は友人が多い方や社交的な方、今までの伝統を重んじたい方にはおすすめできる葬儀のかたちです。その反面、多くの人が参列するために家族に負担がかかることもあります。

家族葬

最近主流になりつつある家族葬は、親族や親しかった友人などといった故人の身近な方々だけで行う葬儀の形です。参列人数を少数にする形なので、基本的に通夜・告別式は省略せずに行います。

家族葬のメリットは、
身近な人のみでゆっくりとお見送りができることです。
一般葬と異なり参列する人数も限られているため、当日に慌てることは少ないでしょう。また一般的に葬儀の規模が小さくなるので費用が抑えられやすいです。

デメリットは参列者の絞り込みが難しいことです。
故人の最期のお別れになるため、参列する・しないでトラブルにならないように気を付けましょう。故人との関係性の把握や家系図を整理して選ぶ材料を整えておくことも大切です。

火葬式(直葬)

火葬式(直葬)とは、通夜・告別式などを行わず火葬のみを行う葬儀のかたちです。基本的には、近親者のみの最小限で行います。
火葬前に宗教者(僧侶)を呼び、炉前読経という簡単にお経をあげていただく儀式を行う場合もあります。

火葬式のメリットは地域によって異なりますが、
平均20万円~30万円程度と安価で行えること
時間も大幅に短縮できることです。

デメリットは、
葬儀後に故人の友人や知り合いの弔問の対応に追われる可能性があること
「もっとしっかりと葬儀をやってあげればよかった」と後々後悔する可能性
があります。

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響で火葬式(直葬)は急増しました。

一日葬

一日葬とは通常通夜・告別式と2日間かけて行われる葬儀を1日で終わらせる葬儀形式です。通夜を行わず、告別式のみを執り行います。

一日葬のメリットは
葬儀にかかるコスト、参列者への対応などの遺族の負担が軽減されることです。
式の時間が短いため遠方の参列者にも連泊の必要がなく、負担が少なくなります。

デメリットとしては、
その日に予定を合わせられない参列者がいる可能性があることです。
故人との最後のお別れの機会を逃してしまうと不満が残る場合がありますので、親しい方には事前に連絡をしっかりと行いましょう。

一日葬も新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、急増した葬儀形式です。

宗教色のない葬儀の形

最近では特定の宗教・宗派をもたない人たちが増えています。信仰が無いためにあまり宗教色が強い葬儀をしたくないという方もいるでしょう。

近年では特定の宗教の形式にとらわれない形の葬儀「無宗教葬」「自由葬」も増えています。どのような葬儀の形があるのか、その種類と内容を紹介します。

お別れ会

お別れ会とは、故人をお見送りする送別会のことです。
一般的には家族・親しかった友人などの少人数で行うことや密葬を行った後に設けることが多いです。

お別れ会は特定の宗教による制約はありません。自由度が高く、主催によって式の形を決めることができるのが特徴です。故人との思い出の写真や故人の好きだった趣味を展示したり、喪服ではなくドレスコードを設定したりなど、故人に結び付けた様々なスタイルを行うことができます。

音楽葬

音楽葬とは、音楽を流して故人を偲ぶ葬儀の形です。生前故人の好きだった音楽を流したり室内楽やバンドの生演奏を行ったりします。音楽に包まれながら故人を見送る式は、あたたかい雰囲気に包まれたものになるでしょう。

音楽葬では読経やお焼香など宗教的な項目が入りません。したがって葬儀の形を自由に組み立てることができます。故人の思い出のスライドショーや故人が好きだった曲の生演奏、音楽の中での献花などを組み込むことも。祭壇などの装飾も自由です。従来のかたちにとらわれない、故人らしい式を作ることができるでしょう。

しかし参列者の中には音楽葬に慣れてない人もいます。親しい人には事前に説明と確認をして、皆が納得したうえで進めましょう。設営の自由度が高い分、不安な点は葬儀社と相談して当日を迎えられるといいです。

生前葬

生前葬とは本人が生きているうちに行う葬儀のことです。
生前葬は本人の希望によって執り行われます。人生の節目にお世話になってきた人たちへ向けて感謝の意を伝えたり、最後に親しい人たちと過ごす機会を設けたりする意味合いがあります。近年、新型コロナウイルス感染症が広まったことから生前葬も増えてきました。

生前葬も宗教による決まった形式はないので、当人や家族が相談して自由につくっていくことができます。開会・閉会の挨拶、友人・本人によるスピーチ、余興、会食などが一般的です。「葬」とついていますが、亡くなっている方がいるわけではないので、明るい雰囲気で前向きに催すことが多いです。

生前葬はまだ広く知られている葬儀の形ではありません。事前に親しい人には相談して皆が納得できる形にするとよいでしょう。また参列者には会の趣旨や簡単な内容、ドレスコードなどを案内状に記載しておくと安心できます。

生前葬後に故人が亡くなった場合は、親族だけで行う家族葬や火葬のみを行う火葬式などを執り行うことが多いです。不明な点は葬儀社に相談しましょう。

この記事を書いた人

亀井 洋一 (葬儀の口コミ編集部)

東京都出身。親の葬儀を経験したことで葬儀業界に興味をもち、大学を卒業後葬儀社で勤務。10年の現場経験を経て、退職。
消費者に有益な情報を届けたいという想いから、現在「葬儀の口コミ」を運営している。

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