2025年秋の彼岸の入りはいつ？意味・過ごし方・準備をわかりやすく解説

「彼岸の入り」とは、お彼岸の7日間の最初の日を指します。春と秋にそれぞれあり、春分の日・秋分の日を中心に前後3日ずつの合計7日間を「彼岸」と呼びます。

つまり「彼岸の入り」とは、その最初の日にあたるのです。春分・秋分の日は国立天文台の観測に基づき毎年変わるため、彼岸の入りの日付も毎年変動します。

この仕組みを知っておくと、なぜ日付が年ごとに異なるのか納得できるでしょう。

「彼岸」という言葉は仏教に由来します。仏教では「此岸（しがん）」を「私たちが暮らす迷いや苦しみの世界」、「彼岸（ひがん）」を「悟りの境地」と説明します。

春分・秋分の日は太陽が真西に沈むため、西方浄土とつながると考えられました。これが彼岸の風習の由来です。
イメージとしては「こちら側の岸（此岸）から、向こう岸（彼岸）へ渡る」ようなものです。

お彼岸には「彼岸の入り」「彼岸の中日」「彼岸明け」という区切りがあります。

・彼岸の入り：7日間の初日
• ・彼岸の中日：春分の日・秋分の日
• ・彼岸明け：7日間の最終日

この違いを理解しておくと、「どの日にお墓参りに行けばいいのか」という迷いが減ります。
基本的には「中日」が中心ですが、「入り」からお墓参りを始めても十分供養になります。

お墓参りをスムーズに行うためには、前日までに準備をしておきましょう。具体的には以下のようなものがあります。

・掃除道具（雑巾・軍手・ゴミ袋・ほうきなど）
・供花（菊・カーネーションなど）
・供物（果物やお菓子）

「彼岸の入り」当日は、仏壇とお墓を整えて先祖に感謝しましょう。

1. お仏壇の掃除
朝、まずは仏壇や仏具をきれいに掃除します。古い供花や供物を下げ、新しい花やお菓子・果物を供えましょう。線香やろうそくを灯し、手を合わせてから出発します。

2. お墓の掃除
墓石や周囲の落ち葉や雑草をきれいにし、タワシやスポンジで墓石を水洗いします。花立や香炉もきれいに整えましょう。

3. 供花・供物をお供えする
掃除が終わったら花を花立に飾り、果物や菓子などを供えます。供物は日持ちするものを選ぶとよいでしょう。宗派や地域によってはシキミを用いたりする場合もあります。

4. 焼香・合掌
線香に火をつけ、墓前に供えます。宗派に応じて焼香の回数や線香の本数は異なります（浄土真宗は1回、曹洞宗は2〜3回など）。最後に家族で合掌し、故人や先祖を偲びます。

墓参りに必要な持ち物は、花・線香・数珠・掃除道具です。
掃除道具はほうき、ちりとり、雑巾、スポンジ、軍手、ゴミ袋などを持っていきましょう。
花の相場は3,000〜5,000円程度、線香は数百円で準備できます。

宗派によって焼香の回数や線香の本数が異なる場合があります。浄土真宗では焼香は1回、曹洞宗は2〜3回などの違いがあります。
また関西では仏花にシキミを用いることが多いなど、地域ごとの風習も見られます。

東北地方では「日迎え」「日送り」といって、彼岸入りや明けに特別な行事を行う地域もあります。
このように地域による差があるため、地元の慣習をあらかじめ知っておくと安心です。

一般的には菊・カーネーション・ユリなどが選ばれます。価格は3,000〜5,000円程度が目安です。花屋で「お墓用の花」と伝えると、適した組み合わせを用意してくれます。

果物やお菓子が一般的で、金額は1,000〜3,000円程度。日持ちするものや家族で分けられるものを選ぶとよいでしょう。
宗派によって肉や魚は避ける場合もあります。

僧侶を招いて読経をお願いする場合は、お布施として5,000〜30,000円程度が目安です。
法要の規模や地域によって幅がありますので、親族に相談するのが安心です。