たつき諒さんの「2025年7月5日」予言とは？本当に災害が起こるのか不安な方へ

ここで大切なのは、たつき諒さんご本人は「2025年7月5日」が必ず災害の日だと断言してはいないという点です。2025年6月に彼女が新刊『天使の遺言』を出版し、その中で予言の真意について言及しました。

たつき諒さんは産経新聞の取材に対し、「過去の例から『こうなのではないか？』と話したことが反映されたようです。夢を見た日＝何かが起きる日というわけではないのです」と説明しています。つまり、「予知夢を見た日＝現実の災難の日」とは限らない、と軌道修正したのです。

この発言から、7月5日という具体の日付はあくまで夢を見た日付に基づく仮説であり、「7月5日に必ず災害が起こる」という意味ではないことがわかります。

たつき諒さんはまた、「予言への高い関心が防災意識の向上につながるなら前向きに捉えている」とコメントしています。「私自身も外出時には気を付け、備蓄なども心掛けております」と述べており、予言が人々に備えの大切さを考えるきっかけになればと願っているようです

今回の「7月5日大災害説」がここまで広まった背景には、現代社会特有の心理と情報環境があります。人々は不確実な世の中で「○月○日に何かが起きる」と言われると、一種の確実性が得られるように感じてしまうのです。また、大災害を経験した日本人にとって、防災意識が高まっていることもあり、「もしかしたら…」と心によぎる人が少なくありません。

そこにSNSの影響が加わりました。Twitter（現X）やYouTube、TikTokなどで個人が予言内容を拡散し、話題性から多くの人が閲覧しました。例えばYouTubeやTikTokにはこの予言を解説する動画が数百万回再生され、「2025年7月5日午前4時18分に何かが起こる」といった具体的なデマ情報まで一人歩きしています。

事実かのように書き立てる投稿もあり、不安を煽られた方も多いでしょう。さらに香港の有名風水師が「2025年7月頃に日本で巨大地震が起きる」と語ったことも相まって、海外（特に香港）の人々にもこの噂が広がり、日本旅行をキャンセルする動きまで出ました。風評被害で一部航空便が減便し、経済損失が生じるとの試算もあるほどです。

このように、予言が広まる背景には「恐怖をコンテンツ化する」現代の情報社会があります。不安な話題はクリック数を稼ぎやすく、SNS上では半信半疑でも面白半分に共有されていきます。その結果、根拠のない噂がいつの間にか「みんなが言っているから本当かも…」という雰囲気を生んでしまうのです。 しかし大切なのは、冷静に事実とデマを見極めることです。気象庁や専門家が繰り返すように、「○月○日に大地震」という具体予言は信頼できません。

予言そのものよりも、「この機会に防災を見直そう」という前向きな捉え方をしたほうが有益です。

1）避難場所と経路の確認
家族で自宅周辺の避難先を確認しておきましょう。
地震や津波に備えて、指定された避難場所（学校や公園など）や高台のどこに逃げるかを決めておきます。避難経路も複数考え、実際に歩いて確認しておくと安心です。特に津波の場合、海岸からできるだけ遠く高い場所へ避難する必要があります。
家族がバラバラの場所にいる時に備え、集合場所も取り決めておくと良いでしょう。「地震が起きたら○○小学校の校庭に集合」等、具体的に決めて紙に書いて共有すると安心です。

2）非常持出袋と備蓄品の準備
災害に備えて最低3日分（できれば1週間分）の水・食料を備蓄しておくことが推奨されています。
断水や物流麻痺により支援物資が届くまで時間がかかる可能性があるため、大人1人あたり1日3リットルの飲料水×3日分は用意しましょう。食料も缶詰やレトルト食品、栄養バーなど日持ちするものを確保しておきます。また、非常持出袋を用意し、以下のような必需品を入れて玄関などに備えてください

懐中電灯・予備電池
携帯ラジオ（情報収集用）
スマホ充電器（モバイルバッテリー）
簡易トイレ、ティッシュ、防災用簡易ブランケット
救急セット（常備薬、絆創膏、消毒液など）
ホイッスル（閉じ込められた際の救助呼びかけ用）
貴重品（身分証明書、現金、通帳・印鑑のリスト）

特に小さなお子さんがいるご家庭では、おむつやミルク、子ども用の非常食も忘れずに準備しましょう。女性の場合は衛生用品も備えてください。災害直後はお店から物資が消えることも想定されます。
日頃から少しずつ買い置きし、「使ったら買い足す」を習慣にすると無理なく備蓄できます。

3）非常時の家族連絡方法の取り決め
災害時は電話が繋がりにくくなるため、複数の連絡手段を家族で決めておくことが重要です。例えば次のような方法があります。
災害用伝言ダイヤル（171）や伝言板サービス:
地震発生後、NTTは「171伝言ダイヤル」を開設します。あらかじめ使い方を家族で練習しておきましょう。携帯各社もウェブ伝言板を提供します。緊急時には音声通話より**SMS（ショートメッセージ）**のほうが繋がりやすいです。
公衆電話の利用
携帯が不通でも公衆電話は災害時に優先接続され無料で使える場合があります。10円玉を備えて、公衆電話の使い方も子供と一緒に確認しておきましょう。
外部の親戚・知人を介した連絡（三角連絡）
県外の親戚など自分たちと同時に被災しない第三者を1人決め、その人に安否を一括連絡する方法です。家族間で直接連絡が取れなくても、その人経由でメッセージを伝えることができます。
メモの活用
万一連絡手段が途絶した場合、自宅のドアの裏など家族だけが分かる場所にメモを残す取り決めも有効です。「○○へ避難します」と日時と行き先を書いて貼ることで、先に帰宅した家族に自分の安否を伝えられます。ただしプライバシー保護のため、人目につきにくい場所を選びましょう。

普段から家族で「連絡方法チェックリスト」を作り、年に1回は訓練しておくといざという時落ち着いて対応できます。携帯電話が主流の今だからこそ、連絡が取れない状況を想定して準備しておくことが肝心です。

では、実際に強い地震や津波が発生した瞬間、どのように行動すれば良いのでしょうか。
ここでは地震発生時と津波警報時の基本的な行動を時系列でまとめます。頭の中でシミュレーションし、家族とも共有しておきましょう。

★地震発生時の行動（その場でまず身を守る）
・揺れを感じたら、まず「姿勢を低く」して落下物から頭を守ります。テーブルや机の下に素早く潜り込み、脚をしっかり掴んでください。倒れてくる家具や飛び散るガラスから身を守るため、慌てて動き回らず、その場で安全確保を最優先します。キッチンなどで火を使っていた場合は、可能であればすぐ消して二次災害（火事）を防ぎます。扉付近にいる場合はドアや窓を開けて出口を確保してください（地震で歪むと扉が開かなくなる恐れがあるため）。エレベーターに乗っていたら全階停止ボタンを押し、最寄り階で降りてください。
・揺れが収まったら、火元の再確認をします。もし火災が発生していたら、初期消火にすぐ取りかかります（天ぷら油火災の場合は決して水をかけず、消火器や濡れ布きんで対応）。消火後、家族の無事を確認しましょう。大声で呼びかけ、ケガ人がいないか確認します。暗い場合に備えて懐中電灯を手元に。足元に割れたガラスが散乱している場合があるので、靴を履くかスリッパ等を着用して歩きます。裸足で動くと二次負傷する恐れがあります。
・避難が必要な場合（家屋が倒壊しそう、火災が広がっている、津波の心配がある等）は、落ち着いて外へ避難します。外に出る際にはガスの元栓を閉め、ブレーカーを落として電気を遮断し、出火や感電を予防します。避難には防災バッグを持ち出せればベストですが、命の方が大事です。荷物よりもヘルメットや防災ずきんで頭を保護し、両手を空けて避難しましょう。家族とは事前に決めた避難場所で合流します。
・避難後は携帯ラジオなどで正確な情報を入手しつつ、近くの人たちで助け合います。余震が続く恐れがあるため、二次災害（倒壊・火災・土砂災害など）に注意してください。けが人の救護や行方不明者の確認も、可能であれば協力します。特に初期消火は5分以内が肝心と言われます。消火器やバケツリレーで出火を食い止め、被害の拡大を防ぎましょう。

★津波警報発令時の行動（迅速に高台へ）
・強い揺れを感じたら、即座に海岸から離れることが鉄則です。震度5強以上の揺れや長時間ゆらゆらとした揺れ（長周期地震動）を感じた場合、津波警報が発表されていなくても自主的に高台へ避難を開始してください。気象庁も「海辺で強い揺れや長い揺れを感じたら、津波警報を待たずただちにより高い安全な場所へ避難を」と呼びかけています。地震直後はテレビやスマホで公式情報を確認する余裕がないかもしれません。ですから「揺れたら逃げる」を習慣づけてください。
・津波警報・注意報を聞いたら、ためらわず避難を続けましょう。避難指示が出てからでは間に合わない場合もあります。津波は繰り返し襲ってくるので、たとえ最初の波が小さくても決して油断しないでください。公式に「警報解除」の発表があるまで、絶対に低地や海岸に戻らないことが重要です。東日本大震災でも、「もう大丈夫だろう」と戻った方が後から来た大波に巻き込まれるケースがありました。避難中もラジオ等で情報収集し、解除が出るまでは高台や避難ビルで待機してください。
・津波から逃げるときはとにかくスピード最優先です。重い荷物は持たず、両手が使える状態で避難しましょう。可能なら近隣の人に声をかけ合い、歩けない人がいれば手助けします。車での避難は渋滞に巻き込まれるリスクが高いので、徒歩で高い場所へ向かうのが基本です。どうしても車を使う場合でも、途中で乗り捨てて徒歩で高台に向かう覚悟をしてください。「津波てんでんこ」（各自が自分の命を守るため最善を尽くす）の精神で、一刻も早く安全な場所へ逃げてください。

大災害で多数の方が亡くなった場合、平時のような個別の葬儀をすぐに執り行うことが難しい状況になることがあります。たとえば火葬場が被災したり燃料不足に陥ったりすると、遺体をすぐに火葬できないケースもありました。

2011年の東日本大震災でも、被災地では遺体の火葬が追いつかず、やむを得ず一時的に土葬（仮埋葬）して後に改めて火葬・埋葬した地域もあります。自治体によっては学校の体育館などに合同の安置所を設け、遺族がお別れできる場を確保した例もありました。災害時には行政が葬儀社と連携し、遺体の身元確認から火葬・納骨まで特別体制で臨むことがあります。 災害時の葬儀の注意点をいくつか挙げます。

・簡略化・集団化
通常の通夜・告別式を行う余裕がない場合、後日改めて葬儀を執り行うことになります。まずは火葬のみ先に行い、葬儀やお別れの会は落ち着いてから実施する形です。自治体や地域ごとに合同葬・合同追悼式が行われることもあります。
・遺体の衛生管理
暑い時期の災害では遺体の衛生保持が課題となります。行政が防腐処置や冷蔵保存に努めますが、遺族としてもマスクを着用する、長時間対面しないなど配慮が必要かもしれません。安置所で対面する際はスタッフの指示に従いましょう。
・書類手続き
火葬許可証がなければ火葬できません。役所が発行する埋火葬許可証を必ずご遺骨と共に受け取ってください。後で改葬やお墓に納骨する際に必要です。災害時は紙の交付が遅れる場合もありますが、必ず取得しましょう。
・費用と補助
大規模災害の場合、災害救助法が適用される地域では、死亡者の遺体搬送や火葬・埋葬にかかる費用は公費で負担される場合があります（自治体によるが火葬料免除等）。葬儀一式の費用は自己負担ですが、簡易な式であれば最低限に抑えることも可能です。自治体から義援金や災害弔慰金が支給されることもありますので、役所の案内を確認してください。
・信頼できる葬儀社の選定
混乱時こそ、誠実な葬儀社に依頼することが大切です。残念ながら災害時に高額請求する悪質業者が現れた例もあります。自治体が紹介する葬儀社や、事前に調べて口コミ評判の良い葬儀社に相談しましょう。平時から地元の葬儀社情報やレビューをチェックしておくと安心です。

このように、災害時の葬儀は通常とは違う進行になる可能性があります。状況に応じて柔軟に対応すること、そして公的支援を活用することが大切です。お亡くなりになった方を悼むお気持ちはもちろん大事ですが、ご自身も疲弊しています。周囲の助けを借りながら、無理のない形でお見送りできるようにしましょう。