死んだら死んだ人に会える？宗教別の考え方や体験談を紹介

仏教は、死後の世界について「輪廻転生（りんねてんしょう）」を提唱しています。

死ぬということは、本来の静かな世界へ戻るだけ（涅槃「ねはん」）。
死んだら新しい命へと生まれ変わりますが、何に生まれ変わるかは、過去の行いによって左右されます。

仏教に「死んだら死んだ人に会える」という教えは特にありません。
ただ、故人を供養したり祈ったりすることで、死後も故人とのつながりを持てるとされています。

キリスト教では、「死んだら死んだ人に会える」と教えられています。
ただし、それは現世で得を積んだ場合。キリストの教えを信じて正しい過ごし方をしていれば、天国で幸せに過ごせたり、亡くなった方とも再会できるそうです。

特にカトリック教会では、天国でどのように再開したいか、信者に具体的に問うそうです。イメージを言葉にすることで、信者にとって大きな希望になっています。

イスラム教も、キリスト教と同じような考え方をしています。
アラーの教えを信じて正しい過ごし方をしていれば、天国で幸せに過ごせたり、亡くなった方とも再会できるそうです。

ちなみにイスラム教では、死んでも復活するとされています。どのタイミングで復活するかというと、「裁きの日」。裁きの日とは、この世の終末を意味します。亡くなった方は、その日まで天国（または地獄）で生き続けるのです。

日本の神道では、人が亡くなると魂になり、霊界で永遠に生き続けるとされています。
肉体同士の接触という意味での再会は語られていませんが、供養や祈りを通して、霊体となった故人とつながれるのです。

特に、家族が亡くなると霊体となり、死後も一緒にいるとされています。そのため日本には昔から、ご先祖様を大切にする文化が根付いています。

生前、リビングで医療ドラマを観ていた父に「お父さん。もしいつかお父さんが死んだら、なんでもいいから、私に合図してね」と伝えたことがありました。
そのときは、「健康なんだから死ぬわけないだろ」と取り合ってもらえませんでした。でも、その半年後に交通事故で父は亡くなりました。

命日から一年が経ち、私の誕生日の日のことです。
キッチンで夕食の支度をしていると、家の電気が突然消えました。電気は数秒で戻りましたが、直後に扇風機が回り始めました。

不思議に思いながら夕食の支度に戻ると、電気がチカチカ点滅します。
もしやと思って「お父さん？」と聞くと、テレビの画面が一瞬ついて消えました。

「お父さんなの？もう一回やって！」と声を出してみたものの、それきり不思議な現象は起こりませんでした。
私の誕生日を、天国でも気にしてくれているんだなと思ってうれしくなりました。

10年ほど前のことです。
突然吐血した母が、亡くなるまでたったの半日。
当時私は大学の関係で一人暮らしをしていて、ようやく病院に着いたものの、すでに母の心肺は停止していました。
現実を受け入れられないまま火葬が終わり、お骨のある部屋で私はひたすら泣いていました。
「何も親孝行できていないのに」「もっといろいろな話をしたかった」など、後悔の念ばかりです。

明日、私は新幹線で帰らなければいけません。
霊感とかまったく無い私ですが、無理を承知で声を出してみました。
「お母さん、私明日帰るの。少しでいいから、近くにいるよって教えて」

すると、私の体になにかがザワザワと触れてきたのです。体中の毛穴が泡立つような、すごく嫌な感覚。
思わず「もういい!もういい!!」と叫び、立ち上がって別の部屋へ走ってしまいました。

あれが母だったのかわかりませんが、落ち着いてお骨の部屋に戻ったとき、「これからは夢にだけ出てきてくれればいいから……」と伝えておきました。