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浄土宗は、平安時代末期の承安5年(西暦1175年)に法然が開宗した宗派です。
南無阿弥陀仏という念仏を一度は聞いたことがあるかと思います。 「南無」とは信頼を意味します。
南無阿弥陀仏とは、阿弥陀様を信頼し尊びますという意味です。
浄土宗では南無阿弥陀仏と唱えることで、誰もが平等に極楽浄土へ行けるようになるという教えを説いています。
しかし、念仏を唱えたからと言って日々の生活を軽視して良いわけではありません。
人格を高めていき、人や社会に尽くしていけるように日々精進することで、極楽浄土へ行けるように願うのが浄土宗の信仰です。

浄土宗の葬儀の特徴は、僧侶だけでなく参列者も一緒に念仏を唱える念仏一会(ねんぶついちえ)という儀式があることです。 念仏一会とは南無阿弥陀仏を繰り返し唱えることです。
一同で故人の代わりに念仏を唱えることで、故人が極楽浄土へ行くための手助けをします。
また、僧侶によって行われる下炬引導(あこいんどう)という儀式もあります。
火葬を表しており、故人が極楽浄土へ行けるようにという願が込められた儀式です。
上記の特徴以外では、他の宗派と共通している部分が多く、大きな違いはありません。

① 僧侶の入場
② 香を焚く
③ 三宝に帰依する
④ 仏様に入場して頂く
⑤ 罪を懺悔する
⑥ 四智讃を唱える
⑦ 下炬引導を行う
⑧ 教義を会得できるよう願う
⑨ 経文を読経する
⑩ 念仏一会を行う
⑪ 往生を願う
⑫ 阿弥陀仏への帰依を誓う
⑬ 仏様を送る
⑭ 僧侶が退場
⑮ 故人と最後の対面をする
⑯ 遺族の男性複数人で棺を運び霊柩車へ載せる
⑰ 出棺し火葬場へ向かう

浄土宗の葬儀で特徴的なのが下炬引導と念仏一会という儀式です。
聞きなれない言葉で不安に思う方もいるかもしれませんが、特に難しいことをするわけではないので安心してください。
下炬引導も念仏一会も参列者は念仏を唱えるだけです。
下炬引導(あこいんどう)は、故人が煩悩を捨て去り無事に極楽浄土へ行けるように、という願いを込めて行われる儀式です。
僧侶が棺の前で焼香を上げ、たいまつもしくは線香を2本取り、そのうちの1本を捨てます。
そして残った1本で円を描き、下炬の偈を読んでその1本も捨てます。
参列者は願いを込めて南無阿弥陀仏と10回唱えます。
念仏一会(ねんぶついちえ)は、阿弥陀様の救いによって故人が極楽浄土へ行けるように願って、僧侶と参列者が念仏を唱える儀式です。
複数回「南無阿弥陀仏」と唱えますが、一般的には10回以上唱えることが多いです。

浄土宗の葬儀に参列するときの作法について解説します。
数珠の持ち方や使用している数珠が他の宗派と多少異なるだけです。
香典袋の書き方や焼香の上げ方、服装については他の宗派と同じです。
浄土宗での数珠の持ち方は、左手で持つのが基本です。
焼香する際も左手で持ち、房を下に垂らします。
合掌する際は、合わせた両手の親指に数珠を掛け、残りの輪は自分の体側に掛けます。
浄土宗で使用している数珠は日課数珠です。
浄土宗では1日に複数化の念仏に励むことがあります。
その念仏を唱えた回数を数えるためにも日課数珠を使っています。
2つの輪を交差させた形状が特徴的です。
日課数珠は男性用と女性用があり、大きさが違うだけで同じ形状をしています。
香典袋の表面には、他の葬儀と同じように「御霊前」または「御香典」と書きます。
香典袋の書き方は、他の宗派との違いは特にありません。
浄土宗の葬儀だからと特別なことを書く必要はないです。
香典の金額は、5,000円~3万円くらいが相場となっています。
相場を参考にしながら、故人との関係性や自分の気持ちで金額を決めましょう。
焼香は3回または1回行います。
参列者の人数が多い場合は、1回で済ませても大丈夫です。
焼香の上げ方は、香炉の前に立ち合掌と一礼をします。
そしてお香をつまみ、額に寄せてから香炉に入れます。
再度合掌と一礼をして焼香が終わります。
浄土宗の葬儀での服装は、通常の喪服で問題ありません。
男性だったら黒いスーツ、女性も黒いスーツやワンピースで大丈夫です。
他の宗派の葬儀と同様に、派手な印象にならないように気を付けましょう。
アクセサリーやお化粧は控えめにしておく方が良いです。
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