エンバーミングで後悔しない選択を｜あなたらしい最期の迎え方

エンバーミングは「遺体に防腐処置を施し、生前に近い表情を保つ」ための科学的な技術です。
血液を防腐剤に入れ替え、消毒・腐敗防止・メイクによって遺体の見た目や清潔さを整えます。
これにより、火葬まで数日かかる場合でも、表情の崩れや腐敗臭をおさえることができます。

また、安らかな表情を整えることができるので、より良い「お別れ」の時間を過ごせると、海外では一般的な処置とされており、日本でも徐々に知られるようになっています。

エンバーミングを行うかどうかは、状況によって必要性が大きく異なります。以下のようなケースでは、実際にエンバーミングを選んだことで「やってよかった」と感じた声が多く聞かれます。

ここで、ブログやSNSで実際にエンバーミングをしてよかったと感じている人の声をご紹介します。

①亡くなったときにできていた顔のアザが消えて、きれいで穏やかな表情になってよかった。
（AmebaBlog 亡きパパと家族の記録　✾ある日突然シングルマザーに✾）

どうやってできたものかは分からないけど、パパは亡くなった時、顔にアザができていました。

そのアザがキレイに消えていました。

②今にも起きてきそう・・・ってまたたくさん泣いちゃうくらい綺麗に処置してもらえた。
（X akari♡さん）

多分ご遺体に手を加えるのに違和感を感じる人も居ると思うし賛否両論だとは思うけど、私含め家族一同はエンバーミングしてよかったねって言ってる
今にも起きてきそう...ってまた沢山泣いちゃったくらい綺麗に処置してもらえた

エンバーミングは大きな安心をもたらす一方で、状況や価値観によっては「やらなくてもよかった」「別の方法にすれば良かった」という後悔を招くことがあります。ここでは向かないケースを5つ解説します。


１.費用を最小限に抑えたい・シンプル葬を望む場合
エンバーミングの費用は遺体の状態にもよりますが、基本的に15万円から25万円ほど。内容によっては修復処置や搬送処理などが加算され、30万円以上になることもあります。
葬儀費用を抑えたい場合、エンバーミング費用はかなり負担に感じるでしょう。

2.宗教観・価値観として「自然なまま」を重視する場合
宗教観・価値観として人工処置に抵抗がある方にとっては、体内に防腐剤を注入するエンバーミングは価値観と合わず後悔の原因になりやすいポイントです。

3.火葬までの期間が短く、ドライアイスで十分対応できる場合
火葬場が確保しやすく、葬儀まで3日以内に行えるなら、ドライアイス処置だけでも遺体変化は最小限に抑えられることが多く、「結局必要なかった」と感じるケースがあります。

4.施術後の“見た目”が期待と違ってしまうリスク
修復・メイクは技術者の腕に左右されるため、仕上がりが「別人のようでショックだった」という声も存在します。

5.結局対面できず“意味がなかった”と感じたとき
遠方の親戚が急きょ来られなくなった、感染症流行で面会自粛になった―そんな場合、「高額な処置をしたのに誰も顔を見られなかった」という後悔につながります。

エンバーミングは、亡くなった方の姿を美しく保ち、衛生的に安置できる処置として、少しずつ日本でも広がりつつあります。特に、葬儀まで時間がかかる場合や、遠方の親族が駆けつける予定があるときには、有効な選択肢となるでしょう。

一方で、費用面や価値観の違い、期待とのズレから「やらなければよかった」と感じる声も少なからずあります。
だからこそ、エンバーミングを選ぶかどうかは、「必要かどうか」ではなく、「自分たちが納得できるかどうか」で考えることが何より大切です。
最期の時間は一度きり。後悔しないためには、元気なうちから家族と話し合い、望むお別れのかたちを描いておくことが、いちばんの準備になるでしょう。