葬儀業界に興味を持ったきっかけを教えてください。
私たちは元々花屋として葬儀に関わっていたんですが、当時は結婚式など他のイベントもやっていました。 その中でも、泣いて感謝されたのが葬儀だけだったんですよ。 それですごくやりがいを感じたのがきっかけで、自分達で葬儀社を設立しました。
なるほど。結婚式などではあまりそういう事はなかったんですか?
少し言いにくいんですが、結婚式などのイベントは「やって当然」の部分があるんですね。 開催のずっと前から企画を練ってデッサンを書いたりなど、「ゴール」が作られてるんです。 だからそのゴール通りになればOKという形になっています。 でも葬儀は違うんです。やはり唐突に起こるパターンが多いですし、十分に準備ができていないご家族が多いんです。 そんな中、少ない日数でご家族の希望を全部叶え、想いを全力で形にする。 だからこそ泣いて喜んでもらえると思いますし、そこにやりがいを感じました。
仕事をする上で「大切にしていること」はありますか?
一言で言うと「その家族になりきる」ということですね。 やはりかけたい費用、やりたい葬儀は人それぞれですし、型にはめられるものではありません。 だからしっかりお話を聞いて、「このご家族ならどんな葬儀にしたいのか。どういう判断をするのか。」をお客様の立場に立って考えています。 しかし利益計算が苦手で、ご家族に色々と提案した結果、全然利益にならなくて後でスタッフに怒られたことがあります(笑)
それだけお客様に寄り添う気持ちが強かったんですね! では、強みはどのような部分だと思いますか?
強みは、葬儀が終わった後もずっと接点を持っている部分です。 だからリピートしてくれる方も多いですし、信頼されていると思います。
どんなところで接点を持っているんですか?
私たちは花屋としての一面もありますので、近くに寄った時にはお花を持って行くことがありますね。 他には、その後何か困ってることがあるか電話をこまめにかけています。 全ての人に対しては出来ていないですが、立ち直るきっかけが必要なご家族にはスタッフ全員で協力して、立ち直る手助けをしています。
なるほど。フラワリングセレモニーで行っている「思い出コーナー」も、そういった想いがあって取り組んでいるのでしょうか?
そうですね。思い出コーナーは故人様の今まで生きてきた証を、できるだけご家族と協力して飾っています。写真を飾られる方が多いですね。 ある程度は私たちが飾りますが、ご家族も携わる事によって、ひとつの区切りになると思っています。 これもご家族が前に進むためのきっかけになればと思い、取り組んでいます。
ご葬儀が終わった後のご家族のケアをかなり大切にされているんですね。
黒河内さんがご家族に寄り添うことを強く意識しているのは、何かきっかけがあったんでしょうか?
きっかけは特にないんですが、私が生きる上での考え方と言いますか、核のようなものがあるんです。
それはどういったものでしょうか?
周りが幸せになることで、自分の人生も幸せになる。と言う考え方です。 昔から人が喜んでくれたら私も嬉しい気持ちになっていました。 だから自分の周りの友人にも幸せになってほしいですし、仕事で関わるご家族にもなるべく寄り添って力になりたいと自然に思うようになりました。
黒河内さんのあたたかい人柄がお仕事に強く反映されて、今のスタイルになったんですね!