なぜ「南無妙法蓮華経」と唱えるの？日蓮宗のお経の基礎知識

「南無妙法蓮華経」は、「法華経に書かれたお釈迦様の正しい教えを信仰します」という意味です。「南無」は「帰依する」を表し、「妙法蓮華経」はお釈迦様の真理と教えが記された経典を指します。

日蓮大聖人が、誰でも簡単に実践でき、強い救済力を持つ方法として「南無妙法蓮華経」を唱えることを提唱しました。これにより、お釈迦様の教えを信じ、そのままの生き方を実践できます。

日蓮宗の勤行では、「法華経」の中でも重要な「方便品第二」と「如来寿量品第十六【自我偈】」を読経します。さらに、お題目「南無妙法蓮華経」を唱えることが最も大切とされています。

お経の独特なリズムが難しい場合、YouTubeなどの動画を活用すると良いでしょう。動画を見ながら唱えることで、自然とリズムや抑揚を身につけられます。おすすめの動画も複数ありますので参考にしてください。

日蓮宗が般若心経を唱えないのは、日蓮聖人が法華経を仏教の最高の教えと位置づけたためです。日蓮聖人は、釈迦仏が最後に説いた法華経が完全無欠の教えであり、他の経典は法華経に導くための方便（手段）に過ぎないと説きました。般若心経も含めた他の経典は、法華経という「本門」に対する「迹門」として捉えられています。そのため日蓮宗では、法華経の題目である「南無妙法蓮華経」を唱えることで、すべての仏の功徳を得られると考え、般若心経などの他の経典を読む必要がないとしています。

法華経と南無妙法蓮華経の違いは、経典本体とその題目という関係にあります。法華経（正式名：妙法蓮華経）は、釈迦仏が説いた28品からなる膨大な経典そのものです。一方、南無妙法蓮華経は、その法華経の題目（タイトル）に「南無」（帰依する）を付けたもので、日蓮聖人が重視した唱題です。日蓮聖人は「法華経のすべての功徳は題目に込められている」と説き、長大な経典を読まなくても、南無妙法蓮華経を唱えることで同等の功徳が得られるとしました。つまり、法華経は「本体」、南無妙法蓮華経は「エッセンス」という関係です。