色即是空・空即是色の教えは現代でどう活きる？意味や由来を解説

形あるもの（色）は固定された実体がなく（空）、だからこそ形になって現れることができるという意味です。仏教の空の思想を端的に表現する言葉となります。

色、つまり見えているものには、本質的に実体がなく常に変化しています。そのため、ある特定の物に執着せず、受け入れることで悩みや苦しみなどのストレスから解放されるとしています。

仏教の般若心経において、観自在菩薩は人間を作る五蘊がすべて空であるとしています。色即是空とは、物事はお互いに縁があって一時的に成り立っているという意味で語られるものです。そのため老いや死などの苦しみも実体がないことに気づくことが、悟りに至るために重要な考えであると説かれています。

「空即是空」は、空が実体をもたないだけでなく、空それ自体も言い表わすことができないものとしています。大乗仏教の中心的な思想が記された『中論』では、空の概念に執着してはいけないとされており、空即是空はそんな空の本質を表わした言葉であると言えるでしょう。