家族葬の費用は誰が払うのか？ 支払い相場やトラブル回避方法まで徹底解説

家族葬とは、故人の家族や親しい友人など、ごく限られた範囲の参列者のみで行う葬儀のことです。

メリットとしては以下の4つが挙げられます。

・静かで落ち着いた雰囲気の中で故人を見送れる
・形式にとらわれず故人らしい葬儀を執り行える
・参列者の対応に追われず、故人との最後の時間を大切にできる
・一般的な葬儀に比べ、費用を抑えられる

家族葬の費用は、誰が負担するべきかという明確なルールはありません。
しかし、一般的には以下のパターンがあります。

喪主が支払う：
故人の配偶者や子供が喪主を務める場合、喪主が費用を負担することが多いです。

故人の遺産から支払う：
口座名義人が死亡した場合、銀行口座は凍結されます。凍結前にキャッシュカードで引き出す、もしくは凍結後でも相続人が申請すれば葬儀費用を引き出すことは可能です。ただし他の相続人の了解を得ずにこれらを行うと、後々トラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。

親族間で分担する：
故人と親しかった親族や経済的に余裕のある親族が、費用を分担します。

施主が支払う：
施主とは、葬儀費用を支払う人のことです。一般的には、喪主と施主は同じ人ですが、喪主が未成年や高齢者で支払い能力がない場合には、施主が代わりに支払います。故人と血縁関係がなくても問題ありません。

費用負担の割合や方法は、故人の家族構成や親族関係、経済状況などによって異なります。事前に親族間で話し合い、誰がどの程度負担するかを決めておくことが重要です。

家族葬の相場は、40万円〜140万円程度と言われています。一般葬は、100万円〜200万円程度かかるのに対し、家族葬は規模が小さいため費用も抑えられます。しかし、人数や葬儀場、サービス内容など細かい条件により大きく変わる点に注意が必要です。また家族葬では、参列者の数が少なかったり香典を辞退していたりするため、香典額が少なくなりご遺族の負担割合が大きくなる傾向にあります。

家族葬の費用内訳は、大きく分けて以下の項目があります。

葬儀一式（30万円～70万円）：葬儀社への基本料金（祭壇、棺、遺影費用など）
飲食費（1人当たり4,000円〜8,000円）：通夜振る舞いや精進落としなどの料理、飲み物代
宗教者への謝礼（15万円～25万円）：僧侶に渡すお布施やお車代、御膳料など

これらの費用項目を考慮し、事前に見積もりを取って予算を立てることが大切です。

家族葬の費用を抑えるためのポイントには、以下の4つがあります。

葬儀社のプランを比較する：複数の葬儀社から見積もりを取り、内容と費用を比較検討し、最適なプランを選びましょう。
公営施設を利用：葬儀場には民営と公営がありますが、公営の葬儀場を利用することで費用を抑えられます。
必要最低限のサービスを選ぶ：祭壇や棺のグレードを下げたり、返礼品を簡素化したりすることで費用を抑えられます。
会食をしない：飲食費は葬儀費用の中で大きな割合を占めます。そのため会食をしないことで費用を抑えられます。

葬儀費用をめぐっては、親族間でトラブルが発生することがあります。ここでは、よくあるトラブル事例とその回避方法をご紹介します。

葬儀費用の支払い方法は、以下の3つがあります。
支払い方法によっては、葬儀社により利用条件があったり、取り扱いがなかったりする場合もありますので、確認が必要です。

・現金払い
葬儀後、または葬儀前に葬儀社に現金を手渡しで支払います。銀行振込やコンビニの払込票で払える場合もあります。

・クレジットカード払い
クレジットカード払いで支払います。通常のショッピングと同じように、一括払いや分割払い、ボーナス払いが選択できたり、一部を現金払い・残りをクレジットカード払いにできたりする葬儀社もあります。しかし、一括払い以外は、ほとんどの場合に利息が発生するので注意が必要です。

・葬儀社のローン払い
現金が用意できなかったり、クレジットカードを持っていなかったりする際は、葬儀社と信販会社が提携するローン払いができることもあります。

この記事では、家族葬の費用負担について、誰が支払うべきかや一般的な費用相場、そして費用を抑えるためのポイントなどを解説しました。

費用負担については、一般的に喪主が負担するか、故人の遺産や親族間で分担しますが、決まったルールはありません。そのため事前に親族間で費用負担について話し合い、故人の希望も考慮しながら決定します。

家族葬は、故人との最期の時間を過ごす大切な時間です。葬儀費用の負担をめぐってトラブルが起こらないよう、親族間でしっかりとコミュニケーションをとり、互いに理解し合い、協力し合うことが重要です。故人の意思を尊重し、それぞれの状況を考慮しながら、家族葬を執り行いましょう。